採用広報の成功事例8選!トレンド、KPI、メリットなどを徹底解説

「採用広報は応募数だけを評価指標にするべきではない」

とHR業界・人事界隈ではよく言われます。
とはいえ

「では採用広報の評価指標(KPI)はどこにおけばいいの?」
「採用広報の手法が多すぎて、どこから始めれば良いのかわからない」

という方も多いと思います。

HeaRでは累計100社以上の採用広報戦略の策定を実施し、採用広報の効果やトレンドについては熟知しております。
そこでこの記事では、採用広報の効果や現在のトレンドを、成果を上げている企業事例と共に紹介していきます。

具体的には、

  • 採用広報とは
  • 採用広報を実施するメリット
  • 採用広報のKPI設計
  • 採用広報で成果を出している企業事例

などをテーマに、重要なポイントをご紹介していきます。

1. 採用広報とは

採用広報とは

まずは「採用広報」とはなにかをご説明します。
採用広報とは「選考・応募及び入社後の定着を目的とした情報発信」のことです。つまり

  • ターゲットとなる候補者からの応募を増やすため
  • アトラクトをし続け、選考中の離脱を防ぐため
  • 自社で働くイメージを共有することで、入社後のギャップを低減するため

これらを実現するため、会社や社員の紹介をSNSやオウンドメディア、イベントなどを通して発信していくことを「採用広報」といいます。

採用広報が注目される理由

昨今、採用における広報の役割に注目が集まっています。
その理由をご説明していきます。

求職者の企業選択軸が多様化した

昔に比べ、求職者が企業を選択するための「軸」が多様化してきました。
要因をいくつか挙げると

情報化社会の発達

様々な情報が容易に手に入るようになり、1人のひとが持ち得る選択肢が増えました。

働き方改革

労働環境の見直しが国の発信で行われるようになり、法令遵守の姿勢、働きやすさの姿勢への感度が高まりました。

新型コロナウィルスの感染拡大

2020年に端を発する新型コロナウイルス感染拡大に伴い、リモートワーク環境が整備されているかなど、多くの求職者が「働く環境」を見つめ直しています。

このように、社会環境の変化にともなって求職者の選択軸が多様化してきています。
それぞれの志向にマッチした採用広報の発信が求められています。

求職者は透明性のある情報を求めている

ネットワーク環境の発達や、SNSの利用拡大にともない、求職者は企業に対して情報の透明性を求めるようになってきました。
面接での対応や態度は勿論、入社後の働き方に至るまで求職者は企業にオープン化を求めています。
そのため様々な企業が、採用広報を通して自社の魅力をオープンに伝えていく姿勢を強化しているのです。

売り手市場により転職潜在層へのアプローチが必要になってきた

採用の売り手市場化が進んでいます。
そのため転職の顕在層だけにアプローチしていては母集団形成が難しくなってきました。
転職意欲が既に高い顕在層だけではなく、「良い所があれば転職したい」と考えている程度の潜在層にもアプローチする重要性が増しております。
求職者が転職をする前の情報収集段階で自社を認知し、転職のタイミングで思い出してもらう。
そういった状況を作り出すために採用広報が注目されております。

2.採用広報を行うメリット

採用広報を強化するメリットについてご説明します。
採用広報がもたらす様々なメリットを理解した上で、自社の採用力向上に活かしていきましょう。

転職潜在層も含めた認知拡大

採用広報を行うことで自社の情報を幅広い層に認知させることができます。
転職顕在層のみならず転職潜在層も含めて認知度を向上させることができるため、「転職したい」と思った時に思い出してもらえる可能性が高まります。

自社の応募数増加

採用広報は認知度向上の効果があるため、求職者が転職する際に選択肢に入る可能性が高まります。
これにより、自社の応募数増加が期待できます。
また自社の魅力を様々な媒体で発信しておくことで「こういう魅力のある会社に入りたい」と関心が高まり、応募を促す効果もあります。

企業と候補者のミスマッチ低減

採用広報では自社の魅力だけではなく、課題もオープンに伝えていくことが大切です。
自社が直面している課題を赤裸々に公開することで、候補者の課題解決意欲を高める効果があります。
自社のリアルな状況を理解した上で入社するため、ミスマッチの低減にも繋がります。

自社の採用力向上、採用コストの低減

採用広報を強化し、自社に直接応募する候補者が増えることで、採用コストの低減にも繋がります。
採用における認知度を高めることができない場合は、求人広告やエージェントなど複数の経路を利用する必要があるため、採用コストが増えてしまいます。

3. 採用広報の手法

では採用広報にはどのような手法があるのでしょうか。
まず採用広報の手法をトリプルメディアで考えてみましょう。

オウンドメディア

自社で運用しているメディアのことをオウンドメディアといいます。

(例)

  • コーポレートサイト
  • 採用サイト
  • 自社ブログ(カルチャーブログやテックブログ)

自社のプラットフォームで発信するため、自由に情報を発信できるのが特徴です。
しかしサイトの制作に時間と労力がかかるというデメリットも含みます。

ペイドメディア(広告、メディア掲載)

ペイドメディア、すなわち有料の広告枠を用いて発信する方法です。
広告配信する対象を求職者の属性で絞ることができる利点はありますが、高額の費用が発生する場合もあるので、採用予算のバランスを鑑みて利用を検討しましょう。


(例)

  • 求人媒体での掲載
  • 採用広報メディアへの掲載(talent bookなど)
  • 就職活動イベントの出展

アーンドメディア

アーンドメディアとは口コミで獲得したメディア露出のことです。
意図的に創出するのは難しいですが、自社のブランディングを強化することで良い口コミを増やすことは、認知の獲得・関心の向上に繋がります。

(例)

  • SNS( Twitter, Instagram, )
  • 就活・転職口コミサイト

4. 採用広報のトレンド

採用広報のトレンドについてご紹介します。
採用広報の手法は多種多様です。自社の状況とリソースに合わせて適切な手法を選びましょう。

採用広報記事の発信

採用広報という言葉を聞いて一番最初にイメージされるのが、採用広報記事での発信です。
採用広報記事は自社のミッション、ビジョンや社員の人柄をブログ記事で発信するというテキストコンテンツのことです。
これから採用広報を始めたいという方は、既に求職者から認知を得ているプラットフォーム(Wantedlyやnoteなど)を活用するのがオススメです。

SNSでの発信

TwitterやInstagram, facebookなどのSNSを活用した発信もオススメです。
他の採用広報コンテンツと比較すると「日常感のあるリアルな生の声」を候補者に伝えることができるため、親近感をもたれやすいというメリットがあります。

音声メディアでの発信

PodcastやClubhouseなどの音声メディアを活用して「声」で自社の魅力を発信していく手法も台頭してきています。
まだまだ未開拓な領域ではありますが、先行投資として活用してみるのも面白いかもしれません。

採用ピッチ資料の制作

採用ピッチ資料は会社紹介資料の強化版です。
採用ピッチ資料は自社の魅力も課題もオープンにした資料のため、自社の採用広報としても有効な施策です。


採用ピッチ資料について詳しく知りたい方はコチラ


採用オウンドメディアでの発信

自社で採用オウンドメディアを立ち上げて発信していく企業も増えてきました。
特にエンジニア採用においては転職潜在層から「エンジニアに強い」と認知される必要性があるため、テックブログを活用して採用広報を強化している企業もあります。

採用広報動画の制作

動画コンテンツが流行する中、採用動画も注目されてきております。
採用動画を見たことがあるという学生は、71%もいるようです。
この数字からも、注目度が伺えます。
動画の場合、視覚・聴覚に同時に刺激を与えるので、求職者の印象に強く残すことが期待できます。
動画は採用サイトに掲載する企業が多いですが、SNSでの拡散や面接前に送るのも効果的です。
採用広報動画の作成方法については、ぜひこちらの資料も併せてご覧ください。


採用広報動画の作り方、活用のススメ


5. 採用広報コンテンツ制作の3ステップ

ステップ1. 認知の獲得

まずは自社の認知を得ることから始めます。
採用活動においてもっとも難易度が高く、時間がかかるポイントです。
丁寧に進めていきましょう。
採用広報での認知の獲得は、「コンテンツの存在」と「会社の存在」に気づいてもらうことから始まります。
そのために、採用ペルソナや発信内容を十分に定義しましょう。

検討すべきポイント

・コンテンツに興味を持ってくれる人がどこにいるのか?
・どのような手段でコンテンツを届けるのか?

ステップ2. コンテンツへの流入

コンテンツの存在が認知されてようやく、質が大切になってきます。
流入してくれた人の心を掴むコンテンツを定期的に発信して、会社の想起集合を獲得しましょう。
重視するべきは質です。
量ももちろん大切ですが、「短くても質の良い記事」が採用広報においては評価されやすい傾向にあります。
基本的に、コンテンツに流入した人に「面白い会社があるな、素敵だな……」と思ってもらえることがゴール。
これを考えた上でコンテンツを決め、定期的に書いていきましょう。

検討すべきポイント

・どうしたら読んでもらえるのか?
・クオリティは適切か?
・コンテンツの本数やPV数の目標数値は?
・読み終わった後に採用候補者に「どんな会社だ」と思って欲しい?
・会社の存在を覚えてもらえるようなコンテンツになっているか?

ステップ3. スクリーニング

「会社の魅力を一方的に発信するのではなく、候補者のスクリーニングの役割を担うコンテンツを作っていく」ことが重要です。

カルチャーなどの発信を積極的に行い、「いい会社だけど自分は違うな、合わないな」という人からの応募をあえて減らすことで、採用のミスマッチ低減が期待できます。
また、マッチする人材に対しては応募意欲を向上させていくことが重要です。
コンテンツを書くときには「あなたに向けて書いている!」という気持ちが重要です。

検討すべきポイント

・発信内容を読んだ上で、「自分ごと」として捉えてもらえるか?
・コンテンツのファンを増やすにはどうしたらいいか?
・会社の情報をオープンに開示できているか?

採用広報コンテンツの作り方については、ぜひこちらの資料も併せてご覧ください。


採用広報コンテンツ作成の手順


6.採用広報のKPI設定

時間やコストをかけて採用広報に取り組むのであれば、その効果をしっかり検証したいところ。
検証の方法の代表的な例として「KPI(目標達成の度合い)の設定」があります。
ここからは、採用広報のKPI設定例をご紹介します。
「絶対にこの指標で置くべき」というものはないので、採用広報戦略に基づき、自社に合う指標を設定しましょう。

Webページやコンテンツへの流入数(PV数)

まず自社を知ってもらわない限り、応募へはつながりません。
認知拡大具合を測る指標として「Webページやコンテンツへの流入数(PV数)」を設定しましょう。
以下、いくつかの例を挙げておきます。

(例)

  • 採用広報記事の流入数
  • 採用広報動画の視聴数
  • SNSのプロフィールアクセス数、インプレッション数
  • オウンドメディアの流入数

応募数/選考参加数

採用広報の大目的は「応募や選考に繋げる」ことです。
「応募数」や「選考への参加数(率)」はKPIとして当然の指標となります。

内定承諾率

採用広報の目的は応募数を増やすことだけではありません。
「選考辞退率を減らす」「内定承諾率を向上させる」ことも大切な目的です。
そのため「内定承諾率」をKPIに設定する会社もあります。
採用広報コンテンツによって選考中の候補者の意欲を高め、入社の確度を高めることができれば、自社の採用にとって非常に大きなメリットになります。

入社後の定着率、早期離職率

「入社後のミスマッチをなくす」ことも採用広報の大きな役割です。
採用広報コンテンツによって自社の良い所や課題をオープンに伝えていくことで、採用後のミスマッチを軽減することが期待できます。
効果計測には「入社後○年の定着率」「早期離職率」を指標に設定しましょう。

7. 採用広報におけるポイント

続けて採用広報を始めるにあたり、おさえておきたいポイントについてご説明します。
ただ闇雲にコンテンツ制作や発信をしても、採用広報の効果は発揮されません。
採用広報戦略を丁寧に設計し、施策の効果を最大化させていきましょう。

1. 4P×候補者のインサイトで考える

候補者の転職動機は様々です。
自社の魅力を「Philosophy(企業理念)」「People(人・文化)」「Profession(事業・業務内容)」「Privilege(働き方・待遇)」で分けた「4P」で整理し、多様化する候補者の価値観に合わせてコンテンツを発信していくことが求められます。


候補者をアトラクトする4P戦略について詳しく知りたい方はコチラ


2. 選考フェーズ×候補者のインサイトで考える

無関心-認知・応募-選考・入社の各フェーズにおいて候補者の求めている情報は異なります。
(例:無関心フェーズの候補者に社員インタビューのようなコンテンツは刺さらない)

そのため選考段階ごとに候補者のインサイトを想定し、候補者が求めている且つ自社の魅力を発信できるコンテンツの企画が重要です。

 

3. 様々な切り口で企画を考える

最近は採用広報を強化する企業も増えてきているため、ただ発信するだけでは候補者の目に留まりません。
そこで候補者がつい見たくなってしまう企画案の作り方のコツをご紹介します。

候補者の好奇心を刺激しつつ、自社の魅力を伝えていくような採用広報記事を企画していきましょう。
記事をリリースした後はPV数等を確認しながら、効果検証も忘れずに行いましょう。

8.採用広報の事例

最後に採用広報の事例についてご紹介します。
採用広報で成果を出している企業の事例を参考にして、自社の採用活動に活かしていきましょう。

1. ナイル社

デジタルマーケティング事業、モビリティサービス事業などを展開するナイル社。
コンセプトダイアグラムを用いて候補者の行動を分析し、マーケティング思考で採用広報を実践しているのが特徴です。

コンセプトダイヤグラム:

Webサイト制作の手法のひとつ。サイトの全体像を可視化するために、どんなユーザーがどのような経路で訪れ、サイト上の目的を達成するために、どのようなコンテンツや機能が存在するのかを図に整理したもの。

採用オウンドメディアナイルのかだん」では社員インタビューを中心にしており、社内の雰囲気が伝わりやすいコンテンツが多く掲載されています。

2. ユーザベース社

経済情報プラットフォーム「SPEEDA」やソーシャル経済メディア「NewsPicks」などの事業を展開している株式会社ユーザベース社。
職種やチームにフォーカスした「UB Journal」 や、社員の人柄を発信するライトなコンテンツ「UB note」の2種類を運用しています。
記事をスカウトメールに添付することで応募数を向上させるという効果も出ており、採用広報が直接的に採用力強化に繋がっている好例です。

3. freee社

シェア No.1 のクラウド会計ソフト freeeを運営するfreee社。
ブログコンテンツでの発信に力を入れています。
採用ブログエンジニアブログなどを活用し、自社の認知度を高めることに成功しています。
特にエンジニアブログでは社内勉強会のスライドをシェアしたり、業務における言語選択の背景などを説明する記事を上げたりすることで、自社の高い技術力を伝える工夫をしています。

4. 10X社

ネットスーパーの垂直立ち上げサービス「Stailer」を運営する10X社。
Notionで採用サイトを制作し、自社の情報を網羅的に掲載しています。
採用サイトの中に採用ピッチ資料やPodcast、オンラインイベントやメールマガジンなど多種多様な採用広報コンテンツを掲載しています。

5. キャディ社

金属加工部品を発注する企業と品質・納期・価格が最も適合する加工会社とのマッチングプラットフォームを展開するキャディ社。
採用広報メンバーは1人とのことですが、業務委託5名をフル活用。
Wantedlyとnote, Twitter という3つのSNSを上手く組み合わせて、自社の応募数及びリファラル採用の増加を実現しています。
キャディ社のPRをされている方がnoteで採用広報施策をまとめておりますので、ぜひ参考にしてください。

6. スペースキー社

アウトドアに特化したサービスを展開するスペースキー社。
noteの更新頻度が高く、採用広報を強化する姿勢が伺えます。
採用サイトでは採用ピッチ資料を活用し、自社の情報を豊富に掲載しています。
人柄がわかる社員インタビューもオススメです。

7. UUUM社

YouTuberを始めとしたインフルエンサーマーケティング事業を展開するUUM社。
キャッチーでダイナミックなデザインの採用サイトが目を引きます。
採用サイトでは採用ピッチ資料に加え、採用メッセージを伝える動画も活用し、候補者からの応募を促進しています。
またWantedlyの記事更新も頻繁に行っており、アクセス数もかなり伸びています。

8. ユニラボ社

受発注のマッチングプラットフォーム「アイミツ」を運営するユニラボ社。
noteとWantedlyを組み合わせて認知度を向上する採用広報を行っています。
CEO×COOのアイミツ誕生秘話、自社のバリュー浸透度を調査した「まっすぐチャレンジ」など自社のカルチャーが色濃く現れるコンテンツを発信しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
採用広報について正しく理解し、自社の採用力を高めていきましょう。
採用広報戦略の立案方法、施策の運用方法などについて知りたい方は、ぜひHeaRにご相談ください!