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500回実施した担当者が教えるオンライン・Web面接のコツについて解説
2022-02-03

500回実施した担当者が教えるオンライン・Web面接のコツについて解説

監修者

HeaR株式会社 代表取締役 大上 諒
2016年、コンテンツマーケティング支援のサムライト株式会社に入社。同社で30社以上のメディア運営に携わったのち、新規事業の責任者として複数の事業立ち上げに従事。
2018年にHeaRを設立し、累計100社以上の採用支援に関わる。「青春の大人を増やす」をミッションに複数のHRサービスを展開中。

編集者

HeaR株式会社 編集部
採用のプロフェッショナルが複数在籍し、採用戦略・ブランディングから実行までを一貫で手がけるHeaR株式会社。
著者の詳しいプロフィール

目次

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、Web面接(オンライン面接)を行う企業が増えました。 このままメジャーな選考方法になることが予想されます。

とはいえ 「企業側はどんなWeb面接を行えばいいの?」 「求職者としてオンライン面接で好印象を与える方法が知りたい」 という方も多いと思います。

HeaRでは年間で約500回のWeb面接(オンライン面接)を行ってきました。 この記事ではWeb面接(オンライン面接)の攻略方法を「企業側」「求職者側」の2つの観点でご紹介していきます。

具体的には、

  • 企業向け
  • 面談前の情報共有が重要
  • 構造化面接を行うポイント
  • オンラインに特化した選考フローの構築方法
  • 求職者向け
  • リアクションは通常の1.5倍
  • 自分のキャリアを棚卸しした場合の効果
  • アピールポイントをドキュメント化

など重要なポイントをご紹介していきます。

Web面接(オンライン面接)のメリット・デメリット

Web面接(オンライン面接)のメリット/デメリットを紹介します。「企業側」「求職者側」の両者が対象です。

■ メリット

  1. 話すハードルが下がる 移動時間の削減や面接環境を自ら選ぶことができるので、気になる企業/候補者が見つかったら「まずは話してみよう」と行動に移しやすくなりました。
  2. 緊張の緩和 これまでは慣れない場所で初対面の人と話すため、緊張しやすい環境だったと思います。しかし自宅やコワーキングスペースといった馴染みのある場所で実施できるだけで緊張度は一定緩和されることでしょう。
  3. 遠方の候補者との面談が可能 該当職種の業務内容に左右されますが、採用や面談において距離の制約がなくなるため遠方や海外にいる企業/候補者とのコミュニケーションが可能になりました。

■ デメリット

通信環境が悪い場合、会話中に音声や映像が途切れます。再開した際は一から話を始めなければならず、何度も同じようなことが繰り返されると次第に緊張感も薄れてしまいます。音声のタイムラグも少なくなく、面接官と候補者が同時に話し始めることが続くと双方にストレスがかかることでしょう。また候補者側は会社に行く機会がなければ、企業の雰囲気を掴むことができません。

企業向け:Web面接(オンライン面接)の攻略法7選

それでは企業がWeb面接(オンライン面接)を効果的に進めるための方法を紹介していきます。 面談前→面談中→面談後の時系列順でお伝えしていきます。

1. オンラインとオフラインの選択肢を伝える

必ずしもWeb面接(オンライン面接)を行う必要はございません。(緊急事態宣言期間を除く) 「オフラインで話したい」と思っている候補者もいらっしゃるので、希望を伺うと良いでしょう。 弊社が行った調査では、候補者の65%が選考過程で1度はオフラインで話したいと思っています。

はじめまして、CEOの大上です。
この度は、弊社に興味をお持ちいただきありがとうございます!

ぜひ一度、お話できれば幸いです。
平日・休日問わず対応可能ですので、 ◯◯さんのご都合の良いお日にちと時間帯をいくつか教えていただけますか?

※面談形式はオフライン(@弊社) or オンライン(Zoom)でご希望の方をお申し付けください

お手数おかけいたしますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。

2. 事前の情報共有に力を入れる

HeaRではオンライン・オフラインに関係なく、初回面談における「会社説明」の時間を非効率と捉えています。初回面談前に自社情報を伝えておくことで、同時間を大幅に削減することが可能です。

自社情報を伝える手段としては以下のようなものがあります。

  • 採用ピッチ資料
  • 採用広報ブログ
  • 採用サイト など

また事前に情報共有することで、スクリーニングの効果を発揮します。 弊社では採用ピッチ資料をお送りしたうち、2-3割の方から"選考辞退"のご連絡をいただく時期がありました。候補者が面談前に「自分に合いそう」「自分には合わなそう」と判断することができるので、お互いの時間を無駄にすることを防ぎます。

HeaRでは面談3日前に以下のようなご連絡を差し上げています。(直前や1週間前だとスクリーニング効果が弱まります)

ご連絡ありがとうございます。
それでは◯日の◯時よりよろしくお願いいたします!

また、当日のZoom URLは下記でお願いいたします。
 htttp://zoom.〜〜
※パスワードを要求された場合はこちら
 abcdefg

事前に会社紹介資料をお送りいたします!
当日は当資料における質疑応答からスタートできればと思っておりますので、お目通しいただければ幸いです。

▼会社紹介資料(採用ピッチ資料)
https://speakerdeck.com/hear/company-profile

3. リマインドを徹底する

Web面接(オンライン面接)のメリットで挙げた「話すハードルが下がる」の一方、面談をキャンセルするハードルも下がっています。 候補者の多くは面談直前に「絶対に◯◯社に行きたい!絶対に◯◯社の話を聞きたい!」という心理状態であることは稀です。本人に悪気がなくても、ふとしたきっかけでキャンセルしてしまう場合があります。

当日のキャンセルを防ぐため(上図の心理状態を少しでも「行きたい」に寄せるため)にリマインドの連絡を行いましょう。「明日はよろしくお願いします」といった通常のリマインドに加えて、候補者の意欲を上げるコンテンツを差し込むと良いです。

弊社では面談前日に以下のようなご連絡を差し上げております。(関係値によって変更あり)

明日は◯時よりよろしくお願いします。
お話できること楽しみにしておりますね。

直前で大変恐縮ですが、弊社ミッション「青春の大人を増やす」に関する記事を共有いたします!お時間があれば是非ご覧ください。

 http://www.〜〜

【サマリー】

  • 「青春の大人を増やす」のきっかけは華金の愚痴
  • 青春は学生の特権なのか?
  • ミッションを体現している漫画といえば◯◯◯◯◯◯!

4. リアクションは大きめに

ここからWeb面接(オンライン面接)中のTipsに移ります。 通信環境の影響で映像が乱れたり表情が伝わりづらい状況が発生するため、視覚情報が頼りにならない場面が出てきます。その場合は聴覚から得られる情報に注意を向けると良いでしょう。発言内容や会話テンポ、抑揚などが挙げられます。

とはいえ視覚情報の伝達を蔑ろにしていいわけではございません。候補者も同様の不安を抱えているので、少しでも取り除けるよう努めましょう。

具体的には、

  • 相槌はしっかり聞こえるように言う
  • 大きくうなずく
  • 笑う時は声を出して笑う
  • 発言の最初をはっきり話す(例:質問なんですが・結論からお伝えすると など)
  • Zoomの画面接続と音声接続のタイムラグの間、穏やかな表情で待っている

といった方法があります。

普段のリアクションの1.5倍を心がけて行動すると、候補者に良い印象を与えやすくなることでしょう。

5. 構造化面接を取り入れる

視覚情報が頼りにならないケースがあるため、言語情報を通して見極める・惹きつける重要性が増します。そこで役立つ面談形式が「構造化面接(別称:STAR面接)」です。 あらかじめ評価基準と質問項目を決めておき、マニュアル通りに実施していく面接手法です。Google社が実施していることで有名になりました。

過去の行動(ファクト)に焦点をあてて理解を深めるため、「◯◯な状況では◯◯の思考パターンをする人」「◯◯な状況で◯◯な行動をとるタイプ」といった理解が可能です。結果、入社後のパフォーマンス予測を上げることができるというわけです。

STARというのは

  • Situation:環境や背景
  • Task:課題や役割
  • Action:本人の行動
  • Result:その結果

の頭文字を取っています。 4つの要素を上から順に聞いていきながら、候補者の行動や価値観を深く掘り下げていきます。

例えば、 5年目から営業部のチームリーダーに就任。3ヶ月間未達が続いていましたが、様々な施策を行ったことで6ヶ月連続で目標達成できるチームになりました。 という求職者がいらっしゃった場合、以下のような構造化面接が有効です。

  • Situation:環境や背景
  • 何を売っていましたか?
  • 競合はどこですか?
  • あなたのチームは何人体制ですか?
  • 他のチームに比べてどうだったのですか?
  • Task:課題や役割
  • チーム内でどんな役割を担当してましたか?
  • なぜその担当になったんですか?
  • 当時の課題を教えてください
  • Action:本人の行動
  • (課題に対して)具体的に何をしましたか?
  • なぜ、そのようにしようと考えたのですか?
  • 課題に対して、◯◯というやり方は考えなかったですか?(議論)
  • Result:その結果
  • 「目標達成」を具体的に教えてください
  • チームメンバーにあなたのことを聞いたらどのように言うと思いますか?
  • 当件を経て学んだことを教えてください

これから構造化面接(STAR面接)を取り入れる企業さんはぜひ以下の資料もご覧ください。

構造化面接(STAR)についての資料をダウンロードする

6. オンラインに特化した選考フローを設計する

Web面接(オンライン面接)が今後のスタンダードになるのであれば、選考フローもオンラインに最適化した方が良いでしょう。時代が変化しているのに面談や選考フローが従来のまま、というのは採用力低下に繋がる恐れがあります。

Web面接(オンライン面接)と相性が良いのは「体験入社」です。オンラインで実施することになるので「オンライン体験入社」と呼んでもいいでしょう。 体験入社とは、実務を通した深い相互理解を図る選考手法です。 ※実施前にNDAの締結をすすめております

オンライン体験入社のプログラムは以下のようなものがございます

  • マーケティングミーティングに参加
  • 営業ロープレの同席・参加
  • 社内のコミュニケーションツール(slackやNotionなど)の閲覧

これまでの体験入社は

  • 準備に時間がかかる
  • 関係者(候補者・社員)の時間を抑えづらい
  • 体験入社に携わった人とそれ以外の人たちに情報格差があるが故、意思決定が難しい

などの課題があり、体験入社を取り入れる企業は多くありませんでした。

しかしオンライン体験入社に切り替えることで

  • アーカイブの動画を用いることで準備に時間がかからない
  • オンライン上での実施なので、関係者(候補者・社員)の時間を抑えやすい
  • 体験入社時の様子を録画することで、体験入社に携わっていない人も含めた意思決定がしやすい

といった恩恵を受けることができます。

オンライン体験入社の設計を検討している企業さんは是非ご相談ください。

採用に関する無料相談のご予約はこちら

7. 面談後のテキストコミュニケーションを多めにする

面談で「素敵だな」と思った候補者に対して一般的な連絡をしていませんか?

以下は一般的な連絡の代表例です。

本日はありがとうございました。 次回は◯月◯日の◯時よりよろしくお願いいたします。

またお話できること楽しみにしております。

候補者は自社以外の会社を複数受けているケースがほとんどです。そのなかで自社の印象を強烈に残す必要があります。

とある心理学者によると、人間の記憶は翌日に70%なくなるとも言われています。一方で記憶を定着させるためには、当日や翌日の復習が重要とも。そのため自社に対する印象(記憶)を残すために、当日もしくは翌日に候補者に対して連絡を取りましょう。

弊社では面談後に以下のようなご連絡を差し上げております。(関係値によって変更あり)

本日はありがとうございました!
◯◯さんの「◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯」のお言葉が今でも頭に残っています。
◯◯な部分が本当に素敵だな、と話しながらワクワクしていました。

次回は◯月◯日の◯時よりよろしくお願いいたします!
当日は◯◯事業部の◯◯とお話いただきます。

◯◯のプロフィール記事をお送りしておきますね。
 http://www.〜〜

またお話できること楽しみにしております。

求職者向け:Web面接(オンライン面接)の攻略法3選

それでは求職者がWeb面接(オンライン面接)を効果的に進めるための方法を紹介していきます。

1. リアクションは大きめに

企業向けのTipsでも紹介しましたが、Web面接(オンライン面接)では視覚情報でアピールしづらい側面があります。そんななか、少しでも視覚情報を通して企業に好印象を与えるための方法お伝えします。

  • 相槌はしっかり聞こえるように言う
  • 大きくうなずく
  • 笑う時は声を出して笑う
  • 発言の最初をはっきり話す(例:質問なんですが・結論からお伝えすると など)
  • Zoomの画面接続と音声接続のタイムラグの間、穏やかな表情で待っている

普段のリアクションの1.5倍を心がけて行動すると、企業に良い印象を与えやすくなることでしょう。

2. 自分のキャリアを棚卸ししておく

視覚情報でアピールしづらい分、聴覚情報(発言内容)で自分のことを知ってもらう必要があります。 自分のキャリアを棚卸ししておくことで、面接官にとって必要な情報を提供することができます。

具体的に多くの面接官は、以下のようなことを伺います。

  • 転職動機
  • これまでの業務内容やアピールポイント(成果)
  • 自分の強み/弱み
  • 今後挑戦したいこと など

自分のことを理解しておくと、自分のことを余すことなく伝えることができます。 棚卸しが不十分だと「その件は不透明です」「そこまで考えていませんでした」と回答せざるを得ないので、企業との相互理解が進みません。結果、お見送りの連絡をいただくことも。

自らのキャリアを棚卸ししておくことは求職活動にも今後の人生にとってもプラスな活動なので、是非行ってみてください。

3. アピールできるドキュメントを作成する

自らのキャリアを棚卸しした後、求職者には2つの壁が待ち構えています。

  1. 企業と話す機会を得る(=応募に対しての返信をもらう)
  2. 短い時間で自らの魅力を伝える

面談まで辿りつかなかったり、約1時間で伝えきれないと、いくら自分のキャリアを棚卸ししたところで水の泡となるでしょう。少しでも上記の壁を乗り越えるために、事前に自らの情報を送付しておくことをおすすめしています。企業が「採用ピッチ資料」を作成するのであれば、求職者は「転職ピッチ資料」を作成しましょうというわけです。

主に以下のような内容を記載することを推奨しています。

  • 経歴
  • 転職動機
  • 転職活動の軸
  • 今後のキャリアプラン
  • これまでの業務内容・スキル
  • ポートフォリオ
  • 自分の強み
  • 今後の課題(上司からのフィードバックを含む)

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まとめ

今後の採用活動・求職活動のスタンダードになるWeb面接(オンライン面接)。
時代の変化に合わせて自らの行動も変化しなければ、時代に取り残されてしまいます。
Web面接(オンライン面接)を攻略し、理想の採用活動・求職活動を行いましょう!

内定辞退を防ぐための採用CXについてはhttps://www.hear.co.jp/recruit/prevent-declining-offer

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