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採用マーケティングの鉄則とは?実践フレームワークやメリットを解説!
2022-10-28

採用マーケティングの鉄則とは?実践フレームワークやメリットを解説!

監修者

HeaR株式会社 代表取締役 大上 諒
2016年、コンテンツマーケティング支援のサムライト株式会社に入社。同社で30社以上のメディア運営に携わったのち、新規事業の責任者として複数の事業立ち上げに従事。
2018年にHeaRを設立し、累計100社以上の採用支援に関わる。「青春の大人を増やす」をミッションに複数のHRサービスを展開中。

編集者

HeaR株式会社 編集部
採用のプロフェッショナルが複数在籍し、採用戦略・ブランディングから実行までを一貫で手がけるHeaR株式会社。
著者の詳しいプロフィール

目次

採用マーケティングとは

採用マーケティングとは、採用活動を成功させるためにマーケティングのフレームワークや手法を取り入れることを指します。

マーケティングとは、「顧客への理解を深め、顧客のニーズを満たしたサービスや商品の提供に繋げること」、「ターゲット層に自社のサービスや商品を認知してもらい、購入や問い合わせに繋げること」です。

これを採用に置き換えると、「採用したい求職者について深く理解し、求職者の求める職場環境や候補者体験などを整備すること」や、「採用ターゲットに自社が採用をしていることや自社自体を知ってもらい、応募や内定承諾に繋げる」ための取り組みとなります。

採用マーケティングと同時に語られることが多いのが採用ブランディングです。

採用ブランディングとは、自社のコンセプトに沿って、自社の理念や仕事内容、社風などの発信をしていくことで、「この会社で働くことは魅力的だ」と思ってもらうことを目指すものです。

採用マーケティングは、採用ブランディングによって作っていくイメージを、どんな手法でどんな人に伝えていくのかを決定して実行していくことです。つまり、採用ブランディングとは切っても切れない関係であり、採用ブランディングと採用マーケティングを同時に行っていくことで、単体で取り組む以上に大きな効果を生むことが期待できます。

採用マーケティングが注目されている理由

近年、採用マーケティングには注目が集まっています。一体なぜ、注目されるようになったのでしょうか。そこには3つの理由があります。

採用難易度の高まり

パーソルキャリアの調査では、2030年には600万人以上の人材が不足すると言われています。このような労働人口の減少だけでなく、採用手法の多様化も影響し、採用難易度は日々高まっています。こういったなかでも採用を成功させようと各社さまざまな取り組みを行っています。その手法のひとつとして採用マーケティングは注目されています。

新卒採用の早期&長期化

経団連の新卒就活に関するルールが撤廃されたことやインターンシップに多くの学生が取り組むようになったことを背景に、新卒採用にかける期間は長期化しており、また新卒採用の開始時期も早期化している傾向にあります。

そのため、中長期的に学生と関わりを持つことが大事になっており、採用マーケティングを通じて長い目で見て接点を作っていこうとしている企業が増えているのです。

求職者の情報収集方法が変化

また、求職者の情報収集も、転職媒体や就職サイトだけではなくなりました。SNSや企業のオウンドメディアを見て応募先を決める候補者も増えています。そういった候補者へのアプローチのためにも、採用マーケティングは注目されています。

採用マーケティングのメリット

潜在層にアピールできる

採用難易度の高まりに伴って、求人広告や就活サイトなどを通じて顕在層にだけアピールしていたのでは、優秀な人材からの応募を集めるのが困難な状況が続いています。

一方、採用マーケティングであれば、潜在層にも中長期的に接点を持つことが可能です。

採用マーケティングを行うことで、潜在層に早くから自社を認知してもらい、実際に転職や就活活動の本格化を考えた際の応募先候補として思い出してもらえる状態を作ることができます。

母集団形成に繋がる

採用マーケティングを通じてこれまでよりもたくさんの人に自社を知ってもらえることで、母集団形成にも大きなプラスの影響を与えることができます。

さらに、ただ募集情報を発信して母集団を集めるのではなく、自社が求めるターゲットだけに向けた尖った発信をすることで、自社が求める優秀な人材から応募を集められる可能性も秘めています。

発信した内容への反響を分析してブラッシュアップを重ねるなど、PDCAを回しながら取り組むと、より優秀な人材を集めることができるでしょう。

よりマッチした人材を採用できる

採用マーケティングを行い、自社の社風や価値観、事業ビジョンなどを自社が求めるターゲットに向けて発信することで、より自社の社風や目指す姿にマッチした人からの応募に繋がります。

また、応募以後の選考フェーズや内定フェーズでも、これまでに発信してきた内容を適切なタイミングで候補者に届けることで、「この会社とは合わないかも」と感じた人からは辞退されることが多くなります。そのため、結果的にマッチ度の高い人物だけが内定承諾することとなり、自社にマッチした人物の採用に繋げられるのです。

早期離職を防ぐことができる

早期離職は、採用コストや人的コスト面での損失が大きいだけでなく、あまりに多くなってくると社内のエンゲージメントや社員の士気にも関わるため、できるだけ避けたいものです。

前項でお伝えしたとおり、採用マーケティングは自社にマッチした人物を採用することに大きく貢献します。そして自社にマッチした人物であれば早期離職となる可能性は極めて小さいでしょう。そのため、採用マーケティングは回り回って、早期離職の防止や離職率の低下にも繋がっていくのです。

採用マーケティングの実践フレームワークについて

ここまで採用マーケティングのメリットについてご紹介してきました。いよいよ実践についてご紹介します。これから紹介するフレームワークや手法を通じて、採用マーケティングを実践していきましょう。

3C分析

3C分析とは、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの観点から分析を進める手法です。「市場・顧客分析」「競合分析」「自社分析」の3つを同時に行えるフレームワークで、マーケティングの場では頻繁に使われています。

採用マーケティングにおける3C分析では、「Candidate(候補者)」「Competitor(採用競合)」「Company(自社)」の3つの側面から分析を進めていきます。

  • 候補者/Candidate(候補者が採用で重視すること、転職市場の動きなど)
  • 競合/Competitor(競合の採用手法や待遇はどうなっているのかなど)
  • 自社/Company(採用における自社の強みや弱み、仕事のやりがいなど)

この分析を行うことで、自社の立ち位置や競合に勝っている点、候補者のニーズを整理することができます。

4P分析

4P分析は、自社の魅力を分析するために利用するフレームワークです。

下記の4つの視点から、自社の魅力を整理していきます。

候補者は、この4つの視点のどれかひとつ、または複数を重視して転職活動や就職活動を行っています。そのため、発信する際はこの4つの要素を満遍なく訴求できるようコンテンツを作ることがおすすめです。

それぞれの観点ごとに自社の魅力を整理して把握しておくことで、面接や面談の場でも候補者がどの要素を重視していたとしても臨機応変に、候補者の心にもっとも響く魅力を訴求することができます。

採用競合の整理

採用マーケティングをする上では、自社だけに目を向けていてはいけません。採用競合を分析し、自社が勝てる部分を見出していく必要があります。

過去の面接でのデータをもとに、採用競合を割り出すことからはじめましょう。

過去1年間の内定者や最終面接まで進んだ人を中心に、候補者が自社と同時に応募していた企業を洗い出します。

採用競合の数が多すぎると競合分析や差別化も必要以上に難しくなってきます。出てきた企業のなかで、名前が出てくる頻度が高かった5〜7社ほどを採用競合と定めるのがおすすめです。

また、併せて内定受諾者はどんな点がよくて入社を決めてくれたのか、逆に内定を受諾してもらえなかった候補者は採用競合のどんなところがよくてその意思決定をしたのかも整理しておくことが重要です。

ここをしっかりと確認しておくことで、のちのちの採用マーケティングのフローに格段に取り組みやすくなります。

採用競合調査

採用競合が整理できたら、その採用競合についてWebサイトを利用してリサーチを進めます。

コーポレートサイトや採用サイト、Wantedlyやオウンドメディアでの発信、求人サイトなどがリサーチ対象です。また、口コミサイトも有力な情報源です。

採用サイトやオウンドメディアなどの企業側からの発信からは、「どんなターゲットに対して」「どのような打ち出し」をしているのかを読み取り、整理しておきます。ここで整理しておくことで、次に行うポジショニングマップの作成に取り掛かりやすくなります。

口コミサイトは、実際に採用競合で働いていた方の生の声を知れる貴重な場です。ただ、注意したい点がふたつあります。ひとつ目はあまり古いものを参考にすると現在の実態とかけ離れてしまうかもしれないことです。1年、長くても2年以内に書かれた口コミを参考にするのがおすすめです。

もうひとつは、退職した時とはなんらかの不満を持っていた人物なので、悪い評判に偏りがちであること。よい評価は間違っていないでしょうが、悪い評価を参考にするのは控えた方がよさそうです。

ポジショニングマップ作成

続いて、ポジショニングマップを作成します。

軸となる項目を2つ設定し、4象限で整理していきます。

設定する軸は、下記3つの点をすべて満たしているものとしましょう。

  • 求職者の入社の決め手となる要素
  • それぞれの独立性が高い要素
  • 自社の強みが活かせる要素

ポジショニングマップによる自社の立ち位置の整理ができたら、ボリュームサーチも行うとなおよいです。組織や経営層を巻き込む際に、狙うマーケットの母集団が一定数があることを証明できると、より説得しやすくなります。ボリュームリサーチには、候補者を検索できる採用媒体を利用するのがおすすめ。

自社のターゲットとなる人材のなかから100名から200名を詳細に調査し、設定した4象限の一つひとつの枠に当てはまる人がどのくらいいるのかを調べていきます。

打ち出しの設計

最後に行うのが、ポジショニングマップの内容を踏まえた打ち出しの決定です。

ポジショニングマップで決定した狙いたいポジションを取りに行くためには、どんな内容を伝えればいいのかを明確にします。

そして、そのように認知してもらえるように、継続的な発信を行っていきます。

例えば、成長できる環境×競争優位性のあるプロダクトというポジションを狙いに行くのであれば、入社後の成長が著しい社員へインタビューを行ったり、プロダクトへの想いやこれからの事業展望を記事にしたりといった進め方をします。

打ち出しまで設計できれば、ここからは実行です。

実行前には、経営層や他の部署の人に壁打ちする機会を作っておくとよいでしょう。

人事以外からの視点を取り入れることで、よりよい採用マーケティングの実施に繋がります。

採用マーケティングならHeaR

今回の記事では、採用マーケティングについてご紹介しました。

採用にマーケティングの手法を取り入れることは、ターゲットに自社の情報を適切に伝えられたり、マッチ度の高い人材からの応募を集められたりとさまざまなメリットがあります。

競合分析に始まり、3C分析や4P分析などのフレームワークを活用し、採用マーケティングを実行に移していきましょう。

しかし、マーケティングの知見を持っていない人事担当者さまの場合、計画や実行の段階で行き詰ってしまうこともあるかもしれません。社内のマーケティング部署の協力を得られる場合は問題ないですが、いつでも協力を得られるわけではないのが実状という企業さまも多いのではないでしょうか。

HeaRでは、HeaRメソッドと呼ぶ独自の手法を使って、現在までに100社以上の採用コンサルティングに携わってきました。

採用マーケティングの戦略構築や施策の立ち上げ、実行に関しても数多くの経験があります。

採用マーケティングを実行したいものの知見がなくて不安な採用担当者さまや、現在採用マーケティングが行き詰ってしまっている人事担当者さまはぜひお気軽にご相談ください。

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