オウンドメディアの必要性
なぜ今、オウンドメディアリクルーティングが注目されているのでしょうか。それには大きく分けて4つの理由があります。
仕事に対する価値観の多様化
コロナ禍によるリモートワークの普及を機に、家庭や育児と両立した働き方や、複業のようなパラレルワークを目指す人が増えたことに代表されるように、労働者の求める働き方は多様化しています。
「とにかくたくさん稼ぎたい」「仕事はほどほどにして余暇をたくさん取りたい」「仕事に打ち込んで成長したい」といった具合に、さまざまな希望がある中で、従来の求人サイトの限られた情報だけでは、それぞれの人の希望に訴求することは困難です。
しかしオウンドメディアであれば、収入を求める人には給与制度や評価制度を説明した記事を、余暇を求める人に対してはワークライフバランスに関する記事を、成長を求める人に対しては教育体制に関する記事や優秀な社員のインタビューを、のようにそれぞれの求めるものに合わせた情報を伝えることができます。
こうした背景から、多様なニーズに応えるためのコンテンツを掲載できるオウンドメディアリクルーティングが注目を集めているのです。
年々難化する採用
労働人口の減少の影響もあってか有効求人倍率は上昇し続け、採用難易度も高まり続けています。職種により難易度はまちまちですが、とりわけ採用が難しいと言われるITエンジニアの場合、2022年6月の有効求人倍率は3.6倍となっています。
優秀な人材の場合は、知人の紹介をきっかけに転職したり、以前から気になっていた会社に直接応募したりして、転職サイトやダイレクトリクルーティングサイトに登録することのないまま転職を決めていくこともあります。このような状況下で優秀な人材を採用するためには、積極的に情報を発信することでまず求職者に自社を認知してもらい、その上で自社を求職者にとって”気になる会社”、”働いてみたい会社”にする必要があります。
そのための手段としてオウンドメディアリクルーティングは極めて有効であり、多くの企業が取り組む理由のひとつとなっています。
採用情報のオープン化
インターネットが普及し、誰もが気軽に情報を閲覧し、また投稿できるようになった現代。これまではごく一部の限られた人しか知らなかった採用情報もオープンになり、多くの人が知れるようになりました。
また、企業側からの情報発信もさかんに行われるようになり、オウンドメディアリクルーティングを積極的に行う企業が増え始めました。積極的に情報を発信する企業は認知度や親しみの感情を高められるだけでなく、透明性の高い信頼できる企業だという印象を持たれます。逆に情報発信をする企業が増える中でしていないと、好印象を与えることはないばかりかマイナスに取られてしまう可能性も。このような採用動向や求職者心理の変化も、オウンドメディアリクルーティングが広がる一因と言えるでしょう。
情報収集方法が多様に
スマートフォンの普及により、日々の情報収集は雑誌やテレビだけでなく、Googleでの検索、TwitterやInstagramなどのSNS、口コミサイトの閲覧など多様化しました。転職における情報収集でも同じで、求人サイトだけではなく、SNSや転職口コミサイト、企業の発信している情報があればそこから収集するなど、多様化の一途を辿っています。このようにさまざまな経路で情報収集する求職者に漏れなくアプローチするためには、企業側も幅広い情報発信チャネルを持つ必要があります。そのチャネルのひとつとして、オウンドメディアリクルーティングが注目を集めています。
オウンドメディアのメリット
ミスマッチを減らすことができる
中小企業の場合、中途採用した社員の3割は3年以内に離職しているというデータからもわかるように、ミスマッチによる短期離職は多くの企業で課題となっています。採用自体の難易度も上がっている現代では特に、せっかく採用した社員がすぐに離職してしまうのは大きな損失ですよね。
短期離職を増やさないために大切なのは、社風や自社にマッチした適切な人を採用することです。オウンドメディアリクルーティングを実施すれば、社風や会社の価値観を的確に伝えることができるため、自社とマッチした人からの応募を集めやすく、短期離職しない人材の採用に繋げることができるようになります。
社員のエンゲージメントが高まる
採用が主目的のオウンドメディアリクルーティングですが、実は社員のエンゲージメント向上にも役立てることも可能です。インタビュー記事や経営層の考え方に関する記事を掲載後に社内共有することで、一緒に働く仲間の新しい一面を知ったり会社の考え方を深く理解したりできます。こうした深い理解を通じて、社員の自社への共感や愛着を強められるのです。
また、インタビューに協力する社員にとっても、忘れかけていた入社した時の気持ちや自分の会社への想いを思い出すきっかけとなり、愛着を高めるきっかけとなるかもしれません。
認知度を高められる
オウンドメディアリクルーティングでの継続的な発信を通じて人の目に触れる機会が増えれば、会社の認知度を高めることができます。また、人間はよく見るものに愛着を感じる傾向にあるため、よい印象の醸成にも寄与する可能性があります。認知度が高まることで自社を認知している人自体の応募だけでなく、自社を知っている人の知人が転職を考えた際に「この会社よさそうだよ」と紹介してくれる口コミのような効果も期待できます。
さらに認知度が高まれば採用はもちろんですが、問い合わせや企業からの取材申し込みが増えるなど事業にもよい影響を与えられることもあります。そして、事業の成長によりさらに認知度が高まっていくというよい循環を生み出せる可能性も秘めています。
このように認知度の高まりを通じて多方面によい影響を与えられる可能性があることは、オウンドメディアリクルーティングのメリットのひとつです。
採用力が強化できる
オウンドメディアのコンテンツ作成や効果測定は、候補者が求めることを知れたり、候補者の心に響く伝え方を知れたりと自社の採用力を高めることにも繋がります。また、オウンドメディアリクルーティングに必要なコンテンツ作成を進めるうちに、人事自身の会社の魅力や経営層の考え方に対する理解がより一層深まる効果もあります。自社を深く理解し、経営層の価値観への高い解像度を持った人事が面談や面接に対応することで、候補者により的確な情報を伝えることができ、アトラクトを強化できるかもしれません。
このように、オウンドメディアリクルーティングでは、さまざまな面からの採用力強化が期待できます。
自社の資産を作れる
オウンドメディアは、求人サイトのように掲載期間がなく、消さなければずっと残り続けることになります。そのため、継続して運用を続ければ続けるほど、自社の資産になります。着実に運用を続けて訪問者が増えれば、サイトが強くなりGoogleなどの検索でも記事が上位表示され、サイトへの流入がさらに増える可能性もあります。ずっと前にUPした記事から応募があるケースもあり、オウンドメディアリクルーティングは過去の蓄積が力となる手法なのです。
潜在層へもアプローチできる
発信した記事が届くのは転職顕在層だけではありません。転職潜在層が自社の発信を目にして関心を持ち、いざ転職を決めた時に「前から気になっていたので応募してみよう」とエントリーしてくれることもあります。このように転職潜在層に対しても中長期的な目線でアプローチをできることが、オウンドメディアリクルーティングの大きな強みです。
採用コストを抑えられる可能性
オウンドメディアを通じて母集団形成ができれば、これまで求人サイトやダイレクトリクルーティング、エージェントなどに使っていた採用コストをグッと下げることができます。ただ、オウンドメディアリクルーティングは中長期的に取り組むべき施策であるため、運用を始めてすぐに効果が出ることは少なく、少しずつの積み重ねが必要となるので、短期的なコストの低下を期待するのは注意が必要です。
オウンドメディアのデメリット
短期的な効果を出すのは難しい
これまでにも何度か説明してきた通り、オウンドメディアリクルーティングの効果のほとんどは中長期的に得られるものです。長い目で見れば良い効果がたくさんあるものの、短期的にはコストが増えたり業務が増えたりと大変な部分もあります。もし短期的な効果が必要な場合は、オウンドメディアリクルーティングと並行して求人サイトやダイレクトリクルーティングを利用するなどの工夫が必要です。
工数が大きい
オウンドメディアリクルーティングにおけるコンテンツ制作には、コンテンツ企画や核となる文章の作成だけでなく、アイキャッチ画像のようなクリエイティブの作成、インタビューした社員の写真撮影など多くのものが必要になります。一時的ではなく恒常的に必要になるため、しっかりとした運用体制を確保することが大切です。
人事側でも作成できるよう業務を調整するほか、業務委託のカメラマンやデザイナーに依頼するなど、自社にあった形で体制を整えましょう。
マーケティングなど周辺知識が必要になる
オウンドメディアリクルーティングは、通常の採用業務とは違い、採用マーケティングの要素が強い施策です。そのため、採用に関する知識だけでなく、マーケティングの知識も施策の成功失敗に影響します。社内のマーケターに協力を仰げる場合は問題ないかもしれませんが、協力を得るのが難しい場合は人事自身で書籍で勉強したり採用マーケティングに関する勉強会に参加したりとキャッチアップする努力が必要かもしれません。
社員の協力がないと成功が難しい
オウンドメディアリクルーティングを行っていると、インタビューや写真撮影の協力はもちろん、時には記事の執筆を依頼する場面も出てくることがあります。また、先述の通りマーケティング部門の協力が必要になる可能性もあります。
このように社員の協力が欠かせないため、オウンドメディアの運用をスタートさせる前に社員に協力してもらえるよう根回しをしておくとスムーズにオウンドメディアリクルーティングに取り組めます。具体的には、採用が難しいことやオウンドメディアリクルーティングの重要性を伝えておく、経営層から働きかけてもらう、協力を評価に反映させるシステムを作るなどの方法があります。
オウンドメディア運用-準備編
戦略設計
オウンドメディアリクルーティングを成功させるために欠かせないのが、戦略の策定です。オウンドメディアリクルーティングのみの、というよりは採用活動全体の戦略が重要になってきます。もし、採用戦略に不安感がある場合には、まず採用戦略をしっかり固めてからオウンドメディアリクルーティングに取り掛かりましょう。この項では、6stepにわけて簡単に戦略設計についてご説明します。
①ペルソナ設計
ペルソナとは、採用したい人物像のこと。オウンドメディアリクルーティングでは、自社が求める人材の琴線に触れるコンテンツを出す必要があり、そのために欠かせないのがペルソナ設計です。現在の職種や年齢といった属性はもちろんですが、キャリアや仕事に関する悩み、志向性や目指す姿など内面も含めて詳細に設定していきます。 ペルソナ設計の際は、すでに同じポジションの社員がいる場合は、その社員を参考にすると設計しやすいだけでなく妥当性の高いものが作れます。
以下記事では、採用要件(ペルソナ)のフレームワーク・設定方法について説明しております。ぜひご一読ください。
▽採用要件(ペルソナ)の設定方法&フレームワークを大公開▽
https://www.hear.co.jp/recruit/persona-make
②採用計画立案
採用計画のポイントは、事業計画と連動させて立案することです。 今後の事業計画を深く理解した上で、採用目標人数を決定。決定した人数を確保するために必要な応募者数や面接者数、内定者数を、過去のデータや他社事例をもとに設定していきます。 オウンドメディアリクルーティングを行う場合は、設計したペルソナや自社のフェーズに応じて、新たにオウンドメディア用のサイトを立ち上げるか、既存の自社サイトやnoteなどのサービスでオウンドメディアリクルーティングのための記事を拡充するかといった点についても検討しておきましょう。
③ポジショニングマップ作成
採用競争は激化し、オウンドメディアリクルーティングに取り組む企業も多くある中、成功させるためには差別化が重要なポイントです。 打ち出すべき自社の差別化ポイントを知るために有効なのが、ポジショニングマップの作成。 ここで比較する対象は事業上の競合ではなく、採用競合です。採用競合との比較を通じて、採用における自社の強みを見つけましょう。
④魅力作り
魅力作りで大切なのはPoD(Point of Difference)と呼ばれる、候補者が求めているものの採用競合には提供できていない魅力を見つけることです。候補者が最終的に入社を決める際の判断を左右することもある重要なものであるため、もし現時点でない場合は後回しにせずPoDを作ることから始めるのがおすすめです。
オウンドメディアリクルーティングにおいても、PoDは最も訴求するべきポイントとなります。
⑤ブランディング設計
採用ブランディングを設計しておくことで、自社の採用施策に一貫性が生まれます。オウンドメディアリクルーティングでは、サイトの中にはさまざまな記事が掲載されることになりますが、記事の内容はバラバラでも「どの記事もこの会社っぽいな」と感じられる統一感のあるメディア運営ができるようになります。設計の際はブランディング設計図を作成し、自社の採用ブランディングに必要な情報を言語化・整理しておくと、施策に落とし込むときにも迷子になりにくくおすすめです。
図にする際には以下の項目を押さえておきましょう。
・ブランドターゲット(象徴的な候補者像/〇〇がしたい△△業界出身者など)
・インサイト(候補者の心を動かすポイント/仕事上の悩みやモヤモヤなど)
・コアバリュー(一言に集約される核となる価値/HeaRの場合:「働くって青春だ」)
・パーソナリティ(人格イメージ/成長欲求の強い人など)
・ベネフィット(物理的・心理的な便益/事業だけでなく自分の成長も感じながら働けるなど)
・エビデンス(裏付けとなる事実や根拠/事業の成長率・社員の教育に投資を惜しまない社風など)
以下記事では、採用ブランディングについて解説しております。ぜひご一読ください。
▽採用ブランディングとは?メリットや設計方法、成功事例などをご紹介▽
https://www.hear.co.jp/recruit-summary/branding
⑥CXの策定
最後に、CX(Candidate Experience/候補者体験)を策定します。CXの基本の考え方は、自社に応募した候補者すべてに「この会社の選考を受けてよかった」と思ってもらうことです。それを目指して、各採用フローでするべきことや理想状態を設計していきましょう。 CXを考えるには、キャンディデートジャーニーマップを作成するのが最もやりやすいです。「認知→応募→各選考フロー→内定・入社」の各フェーズごとに、自社のブランディングに沿った候補者体験を生み出すための施策を考えていきます。
オウンドメディアリクルーティングというと認知や応募のフェーズのためのものと捉えられがちですが、選考フローや内定のフェーズでも自社理解を深めてもらえたり内定受諾の後押しができたりといった効果を発揮します。それぞれのフェーズにどんな記事が必要かを考えて記事を拡充していくとよいでしょう。
運用リソースの確保
オウンドメディアリクルーティングには、継続的な運用が必要です。また、記事の拡充には人事部門以外の協力が必要な場合も出てくるでしょう。オウンドメディアリクルーティングを始めてみたもののリソースが不足していて頓挫してしまったということがないよう、あらかじめリソースを確保した上でオウンドメディアリクルーティングに乗り出す必要があります。
オウンドメディア運用-実践編
準備ができたら、いよいよオウンドメディアリクルーティングのスタートです。既存のオウンドメディアがない場合は、オウンドメディアを作るところから始めます。そして、メディアができたら、コンテンツの作成、メディアを広めるための施策、効果測定などを行っていきます。
オウンドメディア作成
オウンドメディアを作成する方法には、大きく分けてWeb制作ができる会社に外注するか、簡単にオウンドメディアが作れるサービスを利用するかの2つがあります。
外注する
外注をする場合は、オウンドメディア、なかでも採用を目的としたオウンドメディアを得意とする企業を探すのがおすすめです。オウンドメディアといっても種類はさまざまで、BtoC企業が商品をPRするために行っているもの、BtoB企業がリード獲得を目的として行っているものなど、採用以外の用途でオウンドメディアが運営されていることも多いです。
言うまでもありませんが、オウンドメディアリクルーティングを成功させるためには、オウンドメディアリクルーティングを得意とする企業に依頼するのが一番です。外注先選定の際は、オウンドメディアを得意としているWeb制作会社というだけでなく、採用にも知見があったりオウンドメディアリクルーティングサイトを手掛けた実績のある企業を選ぶようにしましょう。
簡単にオウンドメディアが作れるサービスを利用する
外注してサイト作成するまでではなく、まずは小さく始めてちゃんと運用ができるか様子を見たい、なるべく早く始めたいといった場合におすすめなのが、手軽にオウンドメディアを作れるサービスの利用です。
オウンドメディアリクルーティングに特化したものでいえば、エンジャパンが運営するengageが有名です。募集要項の更新もしやすいほか、indeedやgoogleしごと検索とも連携しており、外部からの流入も獲得しやすい仕組みとなっています。
オウンドメディアリクルーティング専用ではありませんが、多くの企業が使用しているのがnoteです。後程紹介しますが、クックパッド社やSmartHR社など名だたる企業が運用しています。
noteはTwitterと相性が良く、良い記事の場合はTwitterで拡散されることも多くあります。そのため、Twitter採用と組み合わせて取り組んでいるケースもよく見られるサービスです。
また、マガジンという機能があり、社員が個人のアカウントで書いた記事もまとめてオウンドメディア内で閲覧してもらえるのもうれしいポイントです。
コンテンツ作成
オウンドメディアが完成したら、オウンドメディアリクルーティングの最も重要な要素と言えるコンテンツ作成に取り組みます。とはいっても、どんなコンテンツを出せばいいのかと悩んでしまうこともあるでしょう。そんな方の参考に、コンテンツ案をいくつか紹介します。
コンテンツ案①社員へのインタビュー
社員に自社に入社するまでの経緯や入社して感じていること、日々の業務にどんな想いであたっているのかなどを聞いて記事にします。一日の仕事の流れや、活躍している社員であればノウハウなどを話してもらうのもよいかもしれません。
また、ひとりずつのインタビューもよいですが、対談や座談会として複数人で話してもらうと、社内のリアルな空気感を伝えやすいです。また、インタビューだらけになってしまいコンテンツがマンネリ化するのを防ぐ効果もあります。
コンテンツ案②代表や経営層の考え方を発信する
企業の価値観や大事にしていることを経営側の口から語ってもらうコンテンツもおすすめです。会社を設立した背景や事業に対する想いといった会社の根幹に関わるものは必ず用意しておきたい記事です。
この他にも、決算時期や年始のタイミングで今後1年間の展望に関する記事を出したり、中長期的なプランを説明したりと経営層のコンテンツを定期的に出すことで、会社の方向性を候補者に深く知ってもらうことができます。
コンテンツ案③プロダクトやサービスについて
自社が提供しているプロダクトやサービスを誇りに思えることは、働くことの充実感にも繋がるため、何を提供してどんな影響を社会に与えたいのかといったことを大事にする候補者の方もいます。特にプロダクト作りに関わるエンジニアや、サービスを広める役割を担う営業が重視する印象が強いです。
このプロダクト・サービスに関わりたい!と感じてもらうためにも、プロダクトに込められた想いやそれを通じて実現したい世界などを開発に携わった人物に話してもらいましょう。
コンテンツ案④社内のイベントや活用するツールについて
社内イベントがあった際は、記事にできそうなものであればイベントの様子を記事にするのも一手です。写真やエピソードを盛り込むことで、実際の社内の雰囲気を感じてもらえるコンテンツを作ることができます。
また、Slackでよく使われる絵文字やNotionの使い方などにも組織の文化が出やすいので、こうしたツールに関する記事を書いてみるのもよいでしょう。
コンテンツ案⑤社外の人から見た自社について
友人や知人から、「あなたって〇〇だよね」と思ってもみなかったことを言われたことはありませんか?会社も同じで、社外の人に自社について話してもらうことで新しい発見があるかもしれません。また、自社ですら気付いていなかったような部分まで候補者に理解してもらえるきっかけとなります。
コンテンツ案⑥社内制度や福利厚生について
社内制度や福利厚生を通じて、自社の社員に対する考え方を伝えることができます。制度や福利厚生を列挙するというよりも、ひとつに対してなぜこの制度があるのか、どんな狙いでこんな制度にしているのかといった想いの部分を掘り下げて発信していきましょう。
コンテンツ作成を外注する時の注意点
自社だけではどうしてもリソースが足りない場合や、一定期間に集中して記事を出したい場合は外注を利用するのも選択肢のひとつです。ただ、オウンドメディアリクルーティングにおける記事は、社内を深く理解していることが必要なものが多いです。そのため、毎回違う人に依頼するのではなく、固定の企業やフリーランスに依頼し、自社への理解を深めてもらった状態で外注をするのがおすすめです。
メディアやコンテンツの広め方
記事を拡充したとしても、見てもらえなければオウンドメディアリクルーティングは成功しません。サイトを広める方法としては、GoogleやSNSでの広告出稿やTwitterなどでの記事の拡散が代表的です。Twitter運用をすでにスタートしている場合は、みんなで記事を投稿し合うなどして地道にオウンドメディアリクルーティングに取り組んでいきましょう。
効果測定
オウンドメディアリクルーティングを成功させるには、記事を出すだけでなくしっかり効果測定も行っていく必要があります。PV数やそこからの応募数などを確認し、どんな記事が候補者に刺さるのかを検証しましょう。ただ、数値には現れないけれど候補者に響いているということもありえます。オウンドメディアリクルーティングの開始以後入社した社員に記事を読んだか、どんな記事がよかったかを聞いてみるのも効果測定の方法のひとつです。
オウンドメディアの事例10社
ナイル社
採用広報の先駆者的存在でもあるナイル社では、採用オウンドメディア『ナイルのかだん』を通じてオウンドメディアリクルーティングを行っています。「人」「事業」「組織」などカテゴリーごとに豊富な記事がありますが、なかでも社員のインタビューを中心に作られています。
ユーザベース社
『NewsPicks』を運営するユーザベース社は、2種類のメディアを利用したオウンドメディアリクルーティングが特徴的です。職種やチームに関する情報を中心とした『UB journal』、社員の人柄をメインに発信する『UB note』を使い分けつつ、企業の魅力を伝えています。
freee社
freee社は、ブログでの発信に力を入れています。全体的な採用情報を伝える採用ブログのほかに、開発者によるテックブログも運用しておりエンジニア採用にも力を入れていることが窺えます。
10X社
ネットスーパーの立ち上げサービスを提供する10X社。網羅的に情報が掲載された採用サイトが特徴的です。メンバー紹介が充実しており、podcastを利用した音声コンテンツが用意されています。
スペースキー社
アウトドアに関するさまざまなサービスを提供するスペースキー社。noteでは社員だけでなく卒業生からのインタビューも掲載しており、社外の一歩引いた視点も取り入れた情報発信を行っています。
ユニラボ社
ユニラボ社は、受発注のプラットフォームを提供する企業です。
公式noteだけでなく、notionやWantedlyと組み合わせた運用を行っており、幅広い経路からの認知向上・母集団形成に向けた動きを取っているようです。
クックパッド社
クックパッド公式noteでは、食に関するサービスを提供する企業らしく、おすすめの贖罪を紹介したり社員のランチ事情を伝えたりと、食べることに関わるコンテンツが多く更新されています。
Kaizen Platform社
DXを支援するKaizen Platform社が運営するKaizen Platform公式noteでは、社員インタビューのようなベーシックなコンテンツのほか、DXに関する課題のような専門的な記事も掲載されており、優秀な人材の興味を惹く設計となっています。
SmartHR社
SmartHR社のSmartHR オープン社内報では、その名の通り本来であれば社員のみが見る社内報を外部に向けて発信するという形を取っています。そのためSlackの絵文字に関するものや座談会など、社内の空気感を感じやすいメディアとなっています。
ベーシック社
マーケティングツール『ferret One』などを提供するベーシック社のベーシック note編集部では、各職種や自社サービスに関する内容のほか、ビジネス界隈で注目を集めるテーマを取り上げたコンテンツもあり、幅広い人が楽しめる内容になっています。
まとめ
今回は、オウンドメディアリクルーティングについて紹介しました。「採用のミスマッチに課題がある」「中長期的に未来を見据えた採用施策に取り組みたい」「自社の魅力を伝えきれていないと感じる」こういった企業様には、オウンドメディアリクルーティングがおすすめです。
オウンドメディアリクルーティングには、マッチした候補者を集めやすい、採用力を高められるなどの多くのメリットがありますが、一方で運用には事前の戦略策定やオウンドメディアを運用するためのリソースの確保が不可欠です。
HeaRでは、これまで100社以上の採用コンサルティングを行っており、その中で数々の企業様へオウンドメディアリクルーティングのご支援も実施してきました。
こうした実績と経験を持つHeaRであれば、オウンドメディアリクルーティングに取り組みたいもののナレッジがなくどうすればいいかわからなかったり工数の面で取り組めなかったりといったお悩みを持たれている採用担当者様の力になれるかもしれません。
もしオウンドメディアリクルーティングに関するお悩みをお持ちであればぜひHeaRに一度ご相談ください!