ホーム
>
ノウハウ
>
採用ブログ
>
採用広告とは?媒体の選定ポイントや運用効果を最大化する方法を解説
2024-10-07

採用広告とは?媒体の選定ポイントや運用効果を最大化する方法を解説

監修者

HeaR株式会社 代表取締役 大上 諒
2016年、コンテンツマーケティング支援のサムライト株式会社に入社。同社で30社以上のメディア運営に携わったのち、新規事業の責任者として複数の事業立ち上げに従事。
2018年にHeaRを設立し、累計100社以上の採用支援に関わる。「青春の大人を増やす」をミッションに複数のHRサービスを展開中。

編集者

HeaR株式会社 編集部
採用のプロフェッショナルが複数在籍し、採用戦略・ブランディングから実行までを一貫で手がけるHeaR株式会社。
著者の詳しいプロフィール

目次

現代のビジネス環境では、優秀な人材の確保が企業の成長と成功に不可欠な要素と言えるでしょう。しかし、競争が激化する中で、自社のターゲット層にピンポイントでアプローチすることは容易ではありません。

そこで活用されるのが「採用広告」です。採用広告を活用することで、企業は理想の人材を効率的に確保できます。

本記事では、採用広告の基本からその目的、種類と費用、メリット・デメリット、そして効果を最大化する方法までを詳しく解説します。採用活動を見直したい方や、これから採用広告を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

採用広告とは

採用広告とは、企業が新たな人材を募集する際に、その求人情報を広く求職者に伝えるための広告のことを指します。具体的には、求人サイトやSNSなど、多様な媒体を通じて求人情報を発信し、求職者との接点を増やす手段です。これにより、企業は自社が求めるスキルや経験を持つ人材からの応募を促進し、採用プロセスを効率化できます。

採用広告の目的

採用広告を行う主な目的は以下の3つです。これらの目的は、企業の持続的な成長と市場での競争力の強化に直結しています。

  • 優秀な人材の確保
  • 企業のブランディング
  • 採用プロセスの効率化

優秀な人材の確保

企業が成長し続けるには、優秀な人材を確保することが重要です。採用広告を通じて広く情報を発信することで、企業は自社が求める人材に効率的にアプローチできます。特に専門的なスキルや経験を持つ人材は市場での獲得競争が激しいため、多くのリーチを狙える採用広告が欠かせません。

たとえば、ITエンジニアやデータサイエンティストなどの専門職の場合、ハイクラス人材の登録が多い媒体で広告を掲載することで、理想の求人からの応募を期待できます。

企業のブランディング

採用広告は単なる求人情報の提供にとどまらず、企業のブランドイメージを高める重要なツールでもあります。広告を通じて企業のミッションやビジョン、社風、社会的な取り組みなどを伝えることで、求職者だけでなく社会からの認知度や信頼を獲得できるでしょう。採用広告を活用することは、長期的な視点での人材確保や企業価値の向上につながると言えます。

採用プロセスの効率化

採用広告を適切に活用することで、採用プロセスの効率化が図れます。明確で具体的な情報を提供することで、ミスマッチな応募を減らし、選考にかかる時間やコストを削減できるでしょう。また、採用管理システム(ATS)と連携することで、応募者の情報管理やコミュニケーションをスムーズに行えるようになります。

採用広告の種類と費用

採用広告にはさまざまな種類があり、それぞれ費用や効果が異なります。以下では、主要な広告媒体とおおよその費用を詳しく解説します。

求人サイト

求人サイトは、求職者が仕事を探す際に最も利用する媒体の一つです。新卒採用の場合、一人当たりの採用コストは50~100万円が一般的で、中途採用では30~120万円程度です。

費用は掲載期間や掲載規模、オプション機能(目立つ位置への掲載や特集ページへの掲載など)によって変動します。また、大手の求人サイトほど掲載費用は高くなる傾向がありますが、その分多くの求職者にリーチできるメリットがあります。掲載後は、応募者の管理や選考もサイト上で行えるため、採用プロセス全体を効率化できます。

求人検索エンジン

求人検索エンジンは、「Indeed」や「Google for Jobs」など、複数の求人情報を一括で検索できるサービスです。費用形態はクリック課金型が主流で、1クリックあたり数十円から数百円程度となります。費用は検索キーワードの人気度や表示順位によって変動します。

たとえば、「ITエンジニア」といった人気キーワードでは費用が高くなる傾向があります。予算に応じて費用を調整できるため、コストパフォーマンスの高い広告手法と言えるでしょう。

オウンドメディア

自社で運営するWebサイトやブログを活用して求人情報を発信する方法です。オウンドメディアの構築費用は数十万円からで、デザインや機能、コンテンツ制作のレベルによって変動します。

運用にはレンタルサーバー代やドメイン代などの費用が、月数千円から数万円程度かかります。ただし、コンテンツ制作など外注する場合は、さらにコストがかかる場合があります。オウンドメディアで採用広告を掲載すると、自社のブランドや価値観を詳細に伝えられるため、長期的な人材確保やブランディングに効果的です。

SNS

SNS広告とは、Facebook、X(旧Twitter)、Instagram、LinkedInなどのプラットフォームに掲載する広告を指します。広告費用は1クリックあたり数十円から数百円で設定でき、ターゲット層や広告の種類、リーチ数によって費用が変動するのが特徴です。

また、インフルエンサーマーケティングを活用する場合、1投稿あたり数万円から数百万円の費用がかかります。また最近では、YouTubeやTikTokなどで動画広告を掲載するケースも増えています。自社の目的やターゲット層にあわせて媒体を選ぶことで、採用効率の向上が期待できるでしょう。

紙媒体

新聞や雑誌、フリーペーパーなどの紙媒体への広告掲載も採用広告の一つです。新聞広告の場合、1回の掲載で数十万円から数百万円、求人情報誌では数万円から数十万円の費用がかかります。

掲載する媒体の発行部数や掲載スペース、カラーかモノクロかなどによって費用は大きく変動します。紙媒体の採用広告は、地域密着型の採用や特定の業界・職種に強い媒体を活用したい場合に適しているでしょう。また、紙媒体によっては一定の年齢層や職業層にリーチできるため、ターゲットを絞った採用活動が可能です。

ハローワーク

公共職業安定所であるハローワークに求人を掲載する方法です。広告の掲載費用は無料ですが、求人票を掲載するまでに一定の手続きが必要です。なお、採用条件によっては助成金や補助金を受けられる可能性があります。

幅広い年齢層の求職者にアプローチできる反面、応募者のスキルや経験が企業の求める水準に達していない場合もあります。採用コストを抑えたい中小企業や、地域密着型の採用を行いたい場合はハローワークの活用がおすすめです。

採用広告のメリット

採用広告を活用することで、企業はどのようなメリットが享受できるのでしょうか。

より多くの人にアプローチできる

採用広告を活用することで、企業は自社だけではリーチできない多くの求職者に情報を届けられます。特にインターネットを活用した採用広告は、地理的な制約がなく情報を発信できるため、多様なバックグラウンドを持つ人材からの応募が期待できます。

また、広告媒体の選択や広告内容を工夫することによって、特定のスキルや経験を持つ求職者にターゲットを絞ることも可能です。

転職潜在層にも認知してもらえる

現在は転職を考えていない潜在的な人材にも、企業の存在や魅力を伝えられるのは採用国の大きな魅力です。特にSNS広告では、求職者のタイムラインやレコメンド欄に自動的に表示されるため、企業への興味を喚起しやすくなります。

これにより、将来的な応募につながったり、知人への紹介があったりなど、長期的な採用戦略として有効となるでしょう。

採用広告のデメリット

採用広告にはいくつかのデメリットも存在します。採用広告の掲載を進める前に、あらかじめチェックしておきましょう。

採用コストが上昇する

広告媒体やプランによっては、高額な費用が発生します。特に競争の激しい業界や人気の高い職種では、より多くの予算を投入しなければ、他社に埋もれてしまうリスクがあります。

また、効果が出るまでに時間がかかる場合や、期待していた成果が得られない場合があります。そのため、採用広告を掲載する前に、費用対効果を慎重に検討する必要があるでしょう。

広告作成に手間がかかる

ターゲット層に響く採用広告を作成するためには、コピーライティングやデザインの専門的な知識やスキルが必要です。もし社内に広告を作成するリソースがない場合は、外部の専門家に依頼しなければなりません。

掲載する媒体ごとに適したスタイルで広告を作成する必要があり、取材や撮影などを実施するケースもあるでしょう。魅力的な求人に仕上げようとすればするほど、手間もそれだけ増える可能性があります。また、広告の効果を維持・向上させるためには、定期的にコンテンツを更新する必要もあり、長期的にも手間がかかることを念頭に置きましょう。

採用広告を選ぶポイント

採用広告の掲載媒体は、自社に合わないものを選んでしまうと、その効果が薄れてしまいます。採用広告を選ぶ際は、以下のポイントを押さえましょう。

ターゲット層に合った媒体を選ぶ

求める人材の年齢層、職種、興味関心などに合わせて、最適な広告媒体を選択するのが重要です。たとえば、若年層のクリエイティブ職を募集する場合は、InstagramやTikTokなどのビジュアル重視のSNSで採用広告を配信するのが効果的です。一方、専門職や管理職の場合は、LinkedInや業界専門の求人サイトが適しています。

予算に合った媒体を選ぶ

採用広告を選ぶ際には、予算とのバランスを意識しましょう。予算内で最大の効果を得るためには、費用対効果の高い媒体を選ぶことが重要です。高額な媒体が必ずしも高い効果を生むとは限らないため、複数の媒体を比較検討しましょう。また、無料や低コストで利用できる媒体もあるため、一度テスト運用するのもおすすめです。

広告媒体の強みをチェックする

各広告媒体が持つ強みや特性を理解し、自社の採用ニーズにマッチしているかをチェックしましょう。たとえば、SNS広告はターゲティング機能が優れており、特定の属性や興味関心を持つユーザーに絞って広告を配信できます。求人検索エンジンは、求職者が具体的なキーワードで検索するため、ニーズの高いユーザーにリーチ可能です。

広告媒体によっては、掲載前に資料請求や問い合わせで詳細を確認できる場合があります。それぞれの広告媒体が持つ強みや特性を理解し、自社の採用目的との適合性を確認することが重要です。

採用広告の掲載手順

採用広告を掲載する際の一般的な手順を理解しておくことで、スムーズに運用できます。以下では、採用広告の掲載手順を紹介します。

1.掲載媒体への登録・問い合わせ

広告掲載を希望する媒体を選び、まずは媒体の運営元へ登録または問い合わせを行いましょう。媒体によっては、専任の担当者がつき、あなたの企業に最適なプランや効果的な広告掲載方法を提案してくれることもあります。採用広告の掲載に関する疑問点や不明点があれば、この段階で積極的に相談し、解消しておくことが大切です。

2.掲載プランの申し込み

各媒体で提供されている掲載プランの中から、自社の採用目的や予算に合わせて最適なプランを選び、申し込みをします。プランによっては、オプションサービスや期間限定の割引キャンペーンなどが用意されている場合もあります。費用対効果が高く、より効率的な採用活動につなげられるものを選びましょう。

3.採用広告の作成

掲載媒体が決まれば、採用広告の原稿を作成します。ターゲット層の心に響くような魅力的な広告文やデザインを考えましょう。なお、自社に広告を作成する知識やスキル、もしくはリソースが無い場合は、アウトソーシングを検討する必要があります。広告作成にもコストがかかることも想定して、予算を組むことが重要です。

広告掲載の開始

広告が掲載されると、応募者からの問い合わせや応募が始まります。掲載期間中は応募状況をモニタリングし、必要に応じて広告内容の調整や予算の再配分を行いましょう。

採用広告の効果を最大化する方法

採用広告の効果を最大化するためには、以下のポイントに注力しましょう。

タイトルと見出しを工夫する

採用広告を作成する際は、求職者の目に留まるタイトルや見出しを工夫することが重要です。具体的な数字やキーワードを用いることで、興味を引きやすくなります。たとえば、「年間休日120日!働きやすさ抜群の〇〇企業」など、魅力的な要素を前面に出しましょう。

条件や仕事内容を具体的に記載する

応募者が知りたい情報を詳細に提供することで、ミスマッチを防ぐことにつながります。給与や賞与、勤務時間、福利厚生、キャリアパスなど、具体的な情報を記載しましょう。採用広告に詳細がわかりやすく記載されていれば、応募者は自身の条件と照らし合わせやすくなり、より確度の高い人材からの応募が期待できます。

複数の広告媒体を併用する

採用活動の成功確率を高めるには、一つの媒体だけに頼らず、複数の広告媒体を組み合わせて運用することが有効です。それぞれの媒体が持つ特性やユーザー層が異なるため、併用することで、より広範囲の求職者へアプローチできるでしょう。

たとえば、SNS広告では認知度を高めつつ、求人検索エンジンで具体的なニーズを持つ層に訴求するなど、多角的な戦略を展開することで、採用活動の効果を最大化できます。

広告効果の分析・改善を行う

採用広告の掲載後は、応募数やクリック数などのデータを収集し、効果を分析しましょう。その結果を基に広告内容を修正したり、媒体や予算配分を見直ししたりと、改善施策を実行することが重要です。

また、応募者の職務経歴やスキルセット、志望動機なども確認し、自社の採用ニーズとの適合度をチェックしましょう。適合度が低ければ、「ターゲット設定が適切でない」「広告内容が魅力的に伝わっていない」「あるいは掲載媒体が最適でない」といった課題が潜んでいるかもしれません。採用広告は掲載して放置するのではなく、定期的に効果測定を行うことで、期待する結果を得られます。

まとめ

採用広告は、企業の成長を支える優秀な人材を獲得するための重要な手段です。しかし、単に広告を掲載するだけでは十分な効果は得られません。自社の採用ニーズにあった適切な媒体を選択し、魅力的な広告に仕上げる必要があります。

本記事で紹介したポイントを参考に、自社に最適な採用広告を活用し、企業の未来を担う人材を見つけてください。