EXとは
EX(Employee Experience=従業員体験)とは、従業員が会社の中で働くことを通して得る全ての経験のことです。
これは、働くことで得られるスキルや経験のみならず、福利厚生をはじめ、組織内のさまざまな要素から構成されています。感情的な経験も大いに関係してくるのが、特徴です。
現代は働き方も多様であり、フリーランス人口も増えていく人や、企業に長年所属せず転職を重ね、一社に留まるケースが少なくなってきました。そのため、企業は従業員に自社で働く意義や価値をこれまで以上に提供しなければ、優秀な人材は集まらなくなってしまいました。
そんなことから、最近では、優秀な人材を獲得し、自社のファンを作るCX(Candidate Experience=候補者体験)と入社後のEXがセットで重要とされています。たとえCXが良くても、入社後ギャップを感じてしまったり、EXが悪いと人々は離れてしまいます。
そこで、EXの向上も必要となります。
EXが必要とされる理由などは、こちらのnoteもご覧ください。
では、実際EXを向上させたいけど、なにから着手すれば良いのかわからないという方向けに今回は、エンプロイージャーニーの設計方法をお伝えします。
エンプロイージャーニーマップの作成方法
EXを向上させるための鍵となるのが、
「Employee Journey Map(エンプロイージャーニーマップ)」の設計です。
Employee Journeyとは、従業員が入社してから退職するまでに企業の中で経験するであろう一連の出来事を、時系列順に可視化したものです。
各フェーズにおいて、従業員の希望することをキャッチし、それに対する向上施策とともに、どのような心理状態になればよいのかを書き出します。そうすることで一貫性のあるEXを提供することができます。

STEP1.ペルソナ設計
Employee Journeyを作る上ではCustomer Journey(カスタマージャーニー)と同様、ペルソナの設定が必要となります。
採用のペルソナ同様しっかり設計していきましょう。
STEP2.フェーズの分類
従業員が入社してから退社するまでの一連の流れは、いくつかのフェーズに分けることができます。具体的には、以下のようなものが考えられます。
・入社
・オンボーディング
・配属
・業務
・育成
・評価
・退職
各フェーズがどれくらいの期間なのかも追記すると良いでしょう。
STEP3.従業員の希望を書き出す
EXをより充実させるためには、各フェーズにおいて、設定したペルソナが望んでいることや得たいことを書き出します。
たとえば、入社時は「入社して良かったと感じたい。ホッとしたい」といった希望があります。
その希望を叶えられるように、下の欄で施策を洗い出していきます。
STEP4.起きやすいトラブル/遭遇する困難
ここでは、各フェーズにおいて起きやすいトラブルや遭遇する困難を書き出します。
今自社で課題となっている部分をあげてもOKです。
たとえば、業務マニュアルの整備が追いついておらず、配属された人が業務に慣れるまで時間がかかるといった具合です。
そうすれば、その課題を改善しなければならないのがわかります。
STEP5.EX向上施策/得られる心理状態の設定
上記で出た課題や、遭遇すれであろう困難の洗い出しができれば、それらの課題を解決する施策や、直面する困難をを防止する施策を考えましょう。
自社ならではの問題がここで解決できるように具体的に書き出しましょう。
そして、それらの施策を行うことで、従業員がどのような感情を抱いてほしいのかを考えましょう。エモーショナルな部分を具体的にイメージすることで従業員の気持ちにも寄り添うことができますし、1on1でも相手の心理状態がフェーズに応じてわかりやすくなります。
STEP6.KPI/評価基準の設定
EXは常にKPIを回していかなければなりません。
そのためには、「とりあえず良さげな施策をやればいい!」では済まされません。
目に見える基準や指標を設け、達成できたか否かを振り返り、施策の良し悪しを評価していかなければなりません。
評価基準に、エンゲージメント指数を活用するのも良いでしょう。
以上のステップを終えることで、注力すべきEXを向上すべきフェーズが明確になります。
自社では今どこができていて、できていない部分は何か。しっかり可視化していきましょう。
エンプロイー・ジャーニーマップを作成したい方はこちらのシートをご活用ください!

さいごに
企業は良い人を採用して、終わりではありません。
入社してから活躍したり、従業員が満足して働けるよう企業の努力が欠かせません。
自社のことをずっと好きになってもらえるようにEX向上に取り組んでいきましょう!
もしEXについて相談したいなどございましたら下記よりお気軽にお申し込みください!