エンジニア向けの求人広告の制作ステップ
求人広告の制作ステップは、大きく分けて以下になります。
本章では、各ステップについて説明していきます。
⓪求人媒体の選定
①採用ペルソナの設計
②自社の魅力・アピールポイントの定義
③コンセプトの設計
④ライティング
⓪求人媒体の選定
前提として、どの求人媒体で広告を出稿するかを選定しましょう。
求人媒体についてはIndeedや求人ボックス・スタンバイなどのアグリゲート広告と呼ばれるものや、Wantedly,YOUTRUSTなどのSNS型の求人媒体なども存在します。
自社の予算や、対象となる属性が多い媒体を選定していきましょう。
①採用ペルソナの設計
採用活動の成功には、明確な採用ペルソナの設計が欠かせません。ペルソナ設計の詳細については、以下の記事で詳細に解説しておりますので是非参照してみてください。
▽【採用担当注目】採用要件(ペルソナ)の設定方法&フレームワークを大公開▽
ここでは簡単にペルソナ設計の流れを解説します。
まずは、募集ポジションが求めているスキルや性格を、2つの観点から整理しましょう。
■定量要件
・経歴 ・年収 ・保有スキルなど
■定性要件
・目標 ・課題 ・口癖など
上記の2点の要件が決まったあとは、採用ペルソナを図式化してみましょう。
以下画像はその例です。採用チームや人事の中で、採用したい人材のイメージをすり合わせるために有効な手段です。
また、より細かい採用要件を設定することも求人広告のブラッシュアップに伴って必要になります。
採用ペルソナの詳細設計において以下の10項目が明確に決まっていると、求人広告を始めとした採用活動に落とし込みやすくなります。
1.デモグラフィック:デモグラフィックは人口統計学的属性、つまり性別、年齢、住んでいる地域、所得、職業、学歴、家族構成などその人のもつ社会経済的な特質データのことです。 デモグラフィックスによって、その人の行動・態度が異なるという考え方からこれをベースにデータを分析します。
2.背景:松竹梅に分けていますが、上から順に求める人物像の経験や背景について記載しています。
3.行動特性:水面上に現れている、つまり他人から見てすぐ分かる情報は、いわゆるスキルや知識です。情報感度やコミュニケーション、普段使用しているツールから、どれくらいのWEBの知見や自社に慣れるかを設定します。
4.目標:どのような目的意識や目標を持っているかによって、仕事や業務に対する取り組みが変わってきます。常に成長を求めて自主的に行動ができる人を採用するのか、あるいは成長よりは安定的な仕事を求めてルーティーン業務をしっかりとこなしてくれる人を採用するかは企業によって異なるので、単純にこのスキルがあるひと!と設定するのではなく、求職者にどのようなマインドで働いて欲しいのかという部分にも繋がります。
5.課題:求職者を突き動かす原動力となる、ある意味「負」の部分です。ただこれはポジティブに改善の余地がある「課題」にすぎません。前述した、4項目めの目標と近しいものがあるので、一貫性を保ちつつ、設定していきます。
6.提供できること:これは企業として、求職者に提供できることです。待遇よりは仕事や将来の目標に合わせて提供できる経験を示します。メディア運営のインターン募集の内容ではありますが、それ以外の業務にも携われるので、メディア運営を基礎として、色んなことを学びたいという意欲のあるインターン生には響く内容になっています。
7.口癖:日頃どんな言葉を発するのかによって、人物像を明らかにします。ハングリー精神のある人を採用したい場合は、口癖が「定時最高!」よりは、「成長するためなら、遅くまで仕事できる!」の方が自社にフィットするでしょう。
8.批判意見や懸念点:自社に対して求職者が抱くであろう、懸念点や意見をピックアップします。クリエイティブなメディア運営を謳っているが、それらが本当に可能なのか。求職者の心情(負の根深いところ)までイメージして設定します。
9.企業メッセージ:自社の現状をありのまま伝えることが大事です。仕組みづくりを好む人もいれば、整っている環境でのびのびと学びたい人もいます。企業の事業フェーズや求める人物像によって、伝えたいことや魅力は変わってくるので、ありのままを記載しましょう。
10.30秒ピッチ:こちらは求職者に伝えたいメッセージや魅力を30秒で伝えるショートメッセージの役割です。一言で、自社の状態、やっていること、どんな人を求めているのかメッセージ性のあるピッチになります。長すぎないように簡略化したメッセージを意識するために30秒で伝えられる内容にします。
②自社の魅力・アピールポイントの定義
採用ペルソナが設計出来たら、次はエンジニア採用における自社の魅力を整理していきましょう。
エンジニアにとって、自社の何が魅力的かを言語化しましょう。社内制度や使用技術など、様々な観点で整理が出来ますが、最も効果的にストロングポイントが抽出できるのは、自社で働いているエンジニアの方に、「何が良い点か」を訪ねることです。
自社で働くエンジニアの方の声から抽出できることは多く、経験社数の多いエンジニアさんであれば「他社と比較して」といった観点でのお話を聞いてみることも効果的でしょう。
③コンセプトの設計
求人広告の設計コンセプトは、「採用ペルソナの求めていること」「自社の魅力」の両方の観点から考えます。
採用ペルソナが求めていると仮定した要素と、自社の魅力として抽出した要素で、近いものをコンセプトの軸として据えます。
例として、採用ペルソナが「最新の技術で業務を行いたい」というニーズを持っていたとしましょう。そして、自社の魅力の一つに「新規事業に関わることができる」といったものがあるとすれば、その求人のコンセプトは、「新規事業の立ち上げから関わり、モダンな技術を使用することができる」といった訴求軸になります。
そこから求人のアピールポイントや詳細が決まってくることになります。
実際は上記の例よりも細かく、多くの要素を採用ペルソナが持っていることになりますので、共通事項を複数抽出し、それをまとめた形でコンセプトを設計していきましょう。
④ライティング
コンセプトが確定したら、最後にライティングに取り掛かりましょう。
ライティングで意識するべきことは、コンセプトをズラさないことと、ターゲットを念頭におくことです。
コンセプトを決めたあとは、その訴求に集中して求人広告を書きましょう。自社のアピールポイントがたくさんあるからといって、「あれもこれも」の求人を書いてしまうと、求職者から信用されなかったり、自社の必要とする人材からの応募に繋がらないケースになってしまいます。
また、ターゲットが「どんな書き方をしたら魅力的に思ってもらえるか?」を考えながらライティングをすることが大切です。
エンジニア求人広告の効果を上げるためのコツ
次に、エンジニア求人広告で効果を上げるためのコツを解説します。
大きく二つの観点から改善を図ることが出来ます。求人広告の項目改善と、エンジニア特有の項目改善の2点からポイントを挙げていきます。
また、広告効果を測定し、改善する必要があります。その点についても解説していきます。
求人広告の項目
■キャッチコピー
キャッチコピーは採用コンセプトを元に作成しましょう。採用ターゲットが最も重視すると思われることと、自社のアピールポイントから生まれた訴求軸をキャッチコピーに落とし込みましょう。
まずはコピーをこねくり回さずに、ストレートに訴求を伝えることを意識して、作成してみましょう。
■職種名
職種名を明確にしましょう。エンジニアというだけでなく、自社での採用要件が固まっているのであれば、「インフラエンジニア」や「サーバーエンジニア」といったように、具体で記述しましょう。
また、関わるサービスについても明記するといいでしょう。「教育サービスのフロントエンジニア」といったように表記することによって、求職者の理解を職種名から進めてもらまいましょう。
■業務内容
業務内容についても可能な限りでは詳細に書きましょう。関わるサービスや、実際に行ってもらう業務、使用ツールやチーム体制など、求職者の方が自社で働く際のイメージがしやすいように書きましょう。
■応募資格
応募資格についても明記することが大切です。応募対象ではない求職者の方からの応募が来てしまうことで、お互いにとって時間が無駄になってしまいます。
そういった防げるリスクを未然に防ぐためにも、応募資格の詳細は自社でしっかり設定し、定量的・定性的な両面で(特に定量部分)明記するようにしましょう。
■募集背景
なぜその採用ポジションを募集するに至ったかの背景を説明することで、求職者としては納得して選考に進むことが出来ますし、入社後の業務イメージの助けとなってくれます。こちらも明記しましょう。
エンジニア特有の項目
■業務範囲を明確にする
エンジニアの業務内容は多岐に渡るので、ひとえに「開発」と言ってもその中で細かい工程が存在します。
エンジニア経験のある求職者にとって、業務範囲が明確ではないことは「業務量が以上に多いのかもしれない」「開発体制が整っていないのかもしれない」などを想起させることに繋がるので、「開発」ではなく「〜〜のプロダクトにおける、設計〜運用」と言ったように、エンジニアの業務フローに乗っ取った書き方をすることが大切です。
採用担当や人事の方で、開発に関するフローがよくわからない場合は、一度現場の担当者に確認してみるのも良いでしょう。
■開発環境を明確にする
言語や環境、データベース、フレームワークだけではなく、受託開発・社外常駐などの形態、使用マシンや設備などを明記しましょう。
エンジニアにとっては業務を具体的にイメージできるようになるほか、こういった専門的な条件の明記があることで、「エンジニアの環境についてしっかり理解のある企業」と思ってもらえます。
広告効果の改善PDCA
WEB広告を出している場合は、効果が数値として計測できる場合が多いです。例えばIndeedなどでは、広告出稿をしている場合は応募者の閲覧数から応募数までの遷移率と、広告費が見られるようになっています。
なので、数値に悪化している部分や、改善するべき部分のKPIを見つけ出し、そのための施策を打つという改善サイクルを回す必要があります。
例えば、求人票の閲覧数(クリック数)が低い、とわかった場合はタイトルを改善するなどの打ち手が考えられます。
自社で広告がわかる方が居れば、その方に尋ねてみるという手もあるでしょう。
最後に
ここまでご覧いただきありがとうございました。今回の記事では、「エンジニア採用における求人広告の書き方」を説明しました。
HeaRではエンジニア採用支援の事例がございますので、是非下記資料をご覧ください。