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地方のエンジニアの採用を成功させるコツとは?成功するための方法を解説!
2022-10-12

地方のエンジニアの採用を成功させるコツとは?成功するための方法を解説!

監修者

HeaR株式会社 代表取締役 大上 諒
2016年、コンテンツマーケティング支援のサムライト株式会社に入社。同社で30社以上のメディア運営に携わったのち、新規事業の責任者として複数の事業立ち上げに従事。
2018年にHeaRを設立し、累計100社以上の採用支援に関わる。「青春の大人を増やす」をミッションに複数のHRサービスを展開中。

編集者

HeaR株式会社 編集部
採用のプロフェッショナルが複数在籍し、採用戦略・ブランディングから実行までを一貫で手がけるHeaR株式会社。
著者の詳しいプロフィール

目次

コロナをきっかけに居住地の選択肢が増える

リモートワークの普及

新型コロナウイルスの流行を受けて、リモートワークが急速に広まりました。

東京都の調査によると、コロナウイルスの流行が本格化する以前は2割程度だったリモートワーク実施率。しかし、流行後の実施率は60%を超えており、コロナウイルスの流行前と比べるとなんと40%も増加しています。

流行が一時的に収まったタイミングでは出社に切り替える企業も増えるためか若干減少傾向もありますが、それでも変わらず半数以上の企業がリモートワークに取り組んでいます。

リモートワークを実施している日数も、半数近くの企業が週の半分以上である3日以上のリモートワーク体制を構築しているようです。

実際に、出社が週に1回程度だったり隔週だったりと極めて出社が少ない企業も出てきています。とくに、PCとネットワーク環境があればどこでも仕事ができるエンジニアの場合、ほかの職種と比べてもリモートワークの比率が高い傾向にあります。

このような変化により、オフィスに毎日通える範囲だけではなく、「毎日通うのはしんどいけれどたまにであれば通える」くらいの、オフィスより離れた場所も居住地として選択しやすくなりました。

さらに、出社をしないのが前提であるフルリモートを採用する企業も増加しています。フルリモートであれば、日本国内どこでも、企業によっては海外にも住むことができるため自由度が高く人気の条件となっています。

コロナ禍は終息に向かいつつありますが、リモートワークを求める人が増加しており、採用競争力を高めるためにはできるだけ働き方を柔軟にする必要があることから、このリモート化の流れは長期的には今後も続いていくでしょう。

全国どこでも勤務できる企業も

また、リモートワークといっても出社できる距離であることが条件であることが多いですが、なかには居住地を自由に選べる企業も出てきています。

ヤフー株式会社では、これまでの「どこでもオフィス」制度を拡充することを決定。これまでは午前11時までに出社できる範囲という制限がありましたが、日本国内であればどこでも居住できるようになりました。また、交通費の上限や通勤手段の制限も撤廃されたことで、居住地の自由度が格段に上がりました。

こうした流れを受け、以前から住んでみたかったものの仕事上難しかった場所へ、居住地を増やす人も出てきています。このように、リモートワークによりオフィスの場所に縛られすぎず居住地を選べるようになりました。それに伴い地方移住への注目も集まっており、エンジニアを採用したい地方企業にとっては追い風となっています。

地方のエンジニアの採用を成功させる方法

地方でのエンジニア採用には、都市部でのエンジニア採用とはまた違った難しさがあります。地方のエンジニア採用ならではの工夫を行いながら採用活動を行っていきましょう。

戦略設計

都市部・地方問わず、エンジニア採用で重要になるのは戦略設計です。

自社にとって最適な採用戦略を設計することで、エンジニア採用を成功に導きましょう。

①ペルソナ設計

ペルソナを設計することで、候補者の求めるものをよりくっきりと認識できるようになり、施策や媒体の運用の方向性も決定しやすくなります。

ペルソナとは、地方移住を考える30代などと属性でくくるターゲットとは違って、さらに解像度を高く作っていきます。例えば、家族構成はどうなっているのか、地方移住を通してどんな生活を実現したいのか、エンジニアとして抱えている課題など詳細に設定していくのが特徴です。

もし、募集ポジションで活躍している社員がいる場合は、その社員の人物像をもとに作っていくのが、現実感のあるペルソナを作りやすくおすすめです。また、エンジニア特有のスキルや課題についてはエンジニアのAさんを参考に、地方移住については移住経験者のBさんを参考になど、複数の人をもとに作ってみるのもよいでしょう。

もしモデルとなる社員がどうしても見つからない場合は、外部機関の行ったアンケート調査やエンジニア全体の特徴などをもとにペルソナを設定しましょう。そしてその後、修正をくわえていくことでより良いペルソナとしていきます。

②採用計画立案

次のステップは、採用計画の立案です。

採用計画を考える上で欠かせないのが、事業計画の理解です。企業の経営資源のひとつである“ヒト”を増やす取り組みである採用と会社の今後の戦略となる事業計画とは密接に関わっています。事業計画を深く理解し、それと連動させながら採用計画を立てていきましょう。

具体的には、採用納期や採用予定人数、そのためにどのくらいの母集団形成をつくる必要があるのかといった事柄を決定します。人数だけでなく、最終的な目標から逆算した上で時期も細かく設定しておきましょう。

③ポジショニングマップ作成

他社にはない魅力を見つけるための手段として有効なのが、ポジショニングマップの作成です。

基準となる2軸を設定し、4象限で自社の立ち位置を整理します。ポジショニングマップの作成をする上で大切なのが、「何を軸とするか」です。まず絶対に外せないのは、入社の意思決定にかかわるものであること。

また、「裁量の高さ」と「挑戦しやすい環境」など似た要素同士で軸を設定したり、片方の軸が高まればもう片方の軸も必然的に高まったり下がったりする相関関係の高い軸を設定するのにも注意が必要です。できるだけ2つの間に相関関係がない、独立した基準を選ぶようにすると活用しやすいポジショニングマップとなります。

もし余裕があれば、自社のポジショニングマップのほか、オフィスのある街のポジショニングマップも作ってみるとよいかもしれません。

自社のある街に移住してもらうためには、地方には数多くの街があるなかでもこの街に移住したい、と思ってもらえるような街であることが必要です。ポジショニングマップで街の独自の魅力も把握しておけば、候補者に自社のみならず街の魅力もアピールでき、意向醸成につなげやすくなります。

④魅力作り

続いて、自社ならではの魅力を言語化していきます。

企業の採用上の魅力は、4Pと呼ばれる以下の4つにわかれます。

  • Philosophy(MVVや大切にしている価値観)
  • Profession(事業内容や仕事内容)
  • People(働く人や文化)
  • Privilege(働き方や待遇)

この4つの切り口から自社の魅力を言語化するとともに、整理しましょう。

魅力を整理しておくことで、「この人はphilosophyを大事にしていそう、それなら○○の話をしよう」などと候補者の重要視する要素によって、訴求内容を変更しやすくなり、より候補者に響く自社の魅力を伝えられるようになります。

4Pの整理の次は、PoD(Point of Difference)の設定です。PoDとは、求職者が求めているものの競合他社が提供できていない、自社だけの魅力を指します。この場合の競合とは、採用競合のことです。

もし自社だけの魅力が見つからない場合は、できるだけ早くPoDを作ってから採用活動に注力するのが、一見遠回りに見えても採用成功への近道です。

⑤ブランディング設計

ブランディング設計は、エンジニア採用だけでなく、ほかの職種の採用を含めた採用施策全体に一貫性を持たせるために行います。

設計の際は設計図を作成し、自社の採用ブランディングに必要な情報を言語化・整理しておくことが大切です。こうしておくことで、新しい採用施策を行う際に、施策ごとに方向性にブレが生じるのを防ぐことができます。

具体的に図にするべき項目は以下の通りです。

  • ブランドターゲット(象徴的な候補者像/〇〇がしたい△△業界出身者など)
  • インサイト(候補者の心の琴線に触れるポイント/仕事上の悩みやモヤモヤなど)
  • コアバリュー(一言に集約される核となる価値/HeaRの場合:「働くって青春だ」)
  • パーソナリティ(人格イメージ/成長欲求の強い人など)
  • ベネフィット(物理的・心理的な便益/事業だけでなく自分の成長も感じながら働けるなど)
  • エビデンス(裏付けとなる事実や根拠/事業の成長率・社員の教育に投資を惜しまない社風など)

⑥CXの策定

最後に、CX(Candidate Experience/候補者体験)を策定します。

合否にかかわらずこの会社を受けてよかったと思ってもらえるよう、候補者とのタッチポイントを設計することがCXで重要な考え方です。

候補者体験が悪いと感じた候補者は、自社のサービスを使わなくなってしまったり、候補者体験が悪かったことを第三者に伝えたりといった行動を起こすことが多いです。

とりわけ地方では口コミは伝播しやすいため、都市での採用活動以上に注意が必要です。一方で、候補者体験がよかったという話も伝わりやすい環境ではあるため、CX向上による影響も大きくなるというプラスの効果もあるかもしれません。

策定の際は、フェーズごとの候補者の感情や行うべき施策が整理できる「キャンディデートジャーニーマップ」を作成しながら考えていくと、策定しやすいです。

条件設定を緩和する

エンジニア採用は難易度が高く、できるだけよい人材を採用するために企業はさまざまな工夫をしています。とくに働き方の条件緩和は多くの企業で行われており、フルリモートも珍しくありません。

こうしたなかで、都市に比べて不利な地方でのエンジニア採用で優秀な人材を獲得するためには、フルリモートや、フルフレックスなど働き方をより自由にできる制度の導入を前向きに考える必要があります。

さらに、高知市が行った地方移住に関する調査でも、地方移住したい理由として「ゆとりのある生活をしたい」が最も多く選ばれています。また、一番増やしたい時間はなにかという問いに対し、4割近い人が「家族との時間」と答えたという結果も出ています。

フルリモートやフルフレックスといった働き方の柔軟性を高めることはこうしたニーズを満たすことにつながり、地方移住を希望する求職者に選ばれやすい企業となることができます。

また、採用競争力を上げられるのはもちろんのこと、働き方の条件緩和には、東京などの都市部の人材も採用ターゲットとできるというさらなるメリットもあります。

適切なチャネル選定や媒体運用が重要

地方のエンジニア採用を成功させるには、手法やチャネル選定が極めて大きな鍵となります。

代表的な手法としては、以下のようなものがあります。

  • ダイレクトリクルーティング(例:LAPRAS、paizaなど)
  • 人材紹介(例:マイナビエージェントなど)
  • SNS採用(例:Twitter、Instagramなど)
  • リファラル採用
  • オウンドメディアリクルーティング(例:テックブログなど)

地方移住には、暮らし方や文化などに不安を覚える人も一定数いるため、日々の暮らしや都市部から移住してきた社員がいれば地方移住体験記などをオウンドメディアで発信するのもよいかもしれません。

ただ、地方での採用の場合は、一般的なチャネルよりも、その地域に密着した媒体やエージェントなどのほうが大きな力を発揮することがあります。

採用したい地域にはどんなサービスがあるのかを入念にリサーチした上で。自社の求める属性のエンジニアが使用しているチャネルをしっかり見極め、適切なチャネル選定を行いましょう。

エンジニア採用におけるチャネル選定についてはこちらをご覧ください。

▽エンジニア採用の成功事例を作る方法とは?各施策の事例やポイントまとめ▽

https://www.hear.co.jp/recruit/engineersuccess

まとめ

今回の記事では、エンジニアを地方で採用する方法について解説してきました。地方でのエンジニア採用には、都市部と比べて人口が少なく採用が難しい側面があります。

一方、リモートワークの普及に伴う、居住地の自由化の流れを受け、Uターン、Iターン問わず地方への移住を考える人も増えてきています。また、フルリモートであれば、オフィスの所在地はどこでもいいという求職者も出てきています。

このように、地方でのエンジニア採用は以前よりもしやすくなってきています。

こうした状況を活かしてエンジニア採用を成功させるためには、働き方や条件の緩和、最適なチャネル選定が必要です。また、採用活動全体の戦略もしっかりと固めておかなくてはなりません。戦略を持って適切な手法で採用活動を行うことで、地方でのエンジニア採用を成功させましょう。

HeaRでは、設立以来100社以上の採用コンサルティングを行ってきました。現在、これまでのコンサルティングで培ってきた知見やノウハウを活かして、エンジニア採用のご支援を行っています。

エンジニア採用がうまくいっていない地方の企業さまや、これから地方拠点を作ろうとしている企業さまがいらっしゃいましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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