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ダイレクトリクルーティングとは?メリットや成果を出す手法や事例を解説
2024-06-16

ダイレクトリクルーティングとは?メリットや成果を出す手法や事例を解説

監修者

HeaR株式会社 代表取締役 大上 諒
2016年、コンテンツマーケティング支援のサムライト株式会社に入社。同社で30社以上のメディア運営に携わったのち、新規事業の責任者として複数の事業立ち上げに従事。
2018年にHeaRを設立し、累計100社以上の採用支援に関わる。「青春の大人を増やす」をミッションに複数のHRサービスを展開中。

編集者

HeaR株式会社 編集部
採用のプロフェッショナルが複数在籍し、採用戦略・ブランディングから実行までを一貫で手がけるHeaR株式会社。
著者の詳しいプロフィール

目次

ダイレクトリクルーティングとは?

ダイレクトリクルーティングとは、その名の通りダイレクト(直接的)に求職者にスカウトを送ることで、自社をアピールして採用していく手法のことです。

従来の採用活動は、求人広告を出したり人材紹介会社に依頼をしたあとは、ひたすら応募が来るのを待つという“待ち”の採用でした。それに対して、ダイレクトリクルーティングは“攻め”の採用手法です。

求人広告や人材紹介のような手法では、ネームバリューがある企業の場合は人を集めやすいですが、立ち上げたばかりのスタートアップ中小企業のような知名度が高いとは言えない企業の場合、優秀な人材を集めるのがどうしても難しくなってしまいます。一方で、ダイレクトリクルーティングの場合は直接候補者にアプローチができるため、認知度が高くない企業でも求職者に魅力を伝えることができます。

ダイレクトリクルーティングには、この他にもさまざまなメリットがあります。今回の記事では、ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリットのほか、ダイレクトリクルーティングで成果を出すコツを紹介しています。スカウト文例も紹介しておりますので、ぜひ貴社のダイレクトリクルーティング運用にご参考ください。

ダイレクトリクルーティングが注目される理由

採用難易度の上昇

労働人口の減少に伴う有効求人倍率の上昇を背景に、採用難易度は高まってきています。そのため、これまでのような募集を出して待つ形の採用活動だけでは、求める人材を採用するのが難しくなってきました。こうしたことを受け、企業側としても積極的に求職者にアピールしていこうとしており、その最も有効な手段の一つとして、ダイレクトリクルーティングは注目を集めているのです。

ミスマッチの増加

転職が当たり前の世の中になり中途採用がさかんになる一方で、残念ながら採用ミスマッチも増えてしまっています。特に、求人広告のような広く募集するタイプの採用手法では、ターゲット外からの応募が多くなってしまうことがあります。一方で、ダイレクトリクルーティングの場合は、自社が欲しいと思った人材だけにスカウトを送ることができるため、ミスマッチを抑えられるとの観点からも注目されています。

求職者の変化

ダイレクトリクルーティングが普及したことで、転職を考えた際にも転職サイトで求人を探すだけではなく、ダイレクトリクルーティングサービスにも登録してスカウトを待つという風に求職者の動きも変わってきています。特に、優秀な転職希望者ほどその傾向にあります。こうした求職者の変化も、企業にダイレクトリクルーティングが注目される理由のひとつです。

ダイレクトリクルーティングのメリット

潜在層にもアプローチできる

ダイレクトリクルーティングサービスに登録しているのは、転職顕在層だけではありません。いい会社があれば転職してもいいかもと考えている人材や、そのサービスを使ってすでに転職したものの、いつか再び転職するときのためにアカウントを保持したままの人材など、幅広い転職潜在層が存在します。こうした転職に向けて本格的に動いていない層に対してもアプローチができるのが、ダイレクトリクルーティングの大きなメリットです。

ダイレクトリクルーティングを活用して速めにアプローチをしておくことで、いざ候補者が転職を考えた際に、応募先として思い出してもらえる可能性が高まります。

自社の採用力を高められる

ダイレクトリクルーティングを行うとなれば、スカウトの送信はもちろん、ターゲット選定やそのターゲットに合わせた文面の工夫は欠かせません。また、カジュアル面談に代表されるような選考以外の候補者とのコミュニケーションも発生することが多いです。

ダイレクトリクルーティングを活用することで、こうした工程に対するノウハウが蓄積されていきます。その過程で、自社なりの勝ちパターンも見つけられるかもしれません。このように、ダイレクトリクルーティングは自社の採用力の強化にもつなげることができるのです。

認知度が高くない場合でも候補者にアピールしやすい

冒頭でも少し触れましたが、求人広告などの募集を集めるタイプの採用手法の場合は、知名度が高くない中小企業や立ち上げ初期のスタートアップなどは、ネームバリューのある企業に埋もれてしまい、候補者に見つけてもらえない可能性が高いです。

一方でダイレクトリクルーティングであれば、候補者に確実にスカウトメッセージを届けられるので、少なくとも自社の存在を知ってもらうことはできます。また、スカウトの内容次第では、求人広告では出会えないような優秀な人材とコンタクトを取ることも可能です。

特に認知度がまだ低い段階の企業において、ダイレクトリクルーティングは大きなメリットを発揮するでしょう。

自社にマッチした人材だけを集められる

応募を待つタイプの採用手法ではなく、自分たちから能動的に応募者を集めていくスタイルであるため、あらかじめ自社側が選んだ自社にマッチした人材のみを集めることができます。

そのため、従来の“待ち”の採用に比べると、選考通過率が高くなりやすく、より効率の良い採用活動を行うことにつながります。

ダイレクトリクルーティングのデメリット

工数がかかる

ダイレクトリクルーティングを行うには、ターゲットの決定から送信する候補者の選定、基礎となるスカウト文面の作成、それぞれの候補者に合わせた文面のカスタマイズなど、さまざまな作業が必要になってきます。そのため工数が大きく、採用担当者の工数を大きく圧迫してしまうことも。

ダイレクトリクルーティングを始める際には、担当者の工数を確保できるのかを考えた上での導入がおすすめです。もし工数を確保するのがどうしても難しい場合は、スカウト代行なども視野に入れてみるとよいかもしれません。

ノウハウが必要

ダイレクトリクルーティングサービスのなかで、どんな風に自社の求める人材を探していけばいいのか、スカウト文にはどんな内容を盛り込めばいいのかなど、ダイレクトリクルーティング成功のためにはいくつかのノウハウが必要です。

また、自社に適切な媒体を選ぶのにも、ダイレクトリクルーティングサービスに対する知見が必要になってきます。ノウハウが不足している場合は、副業人事や人事フリーランス、採用コンサルなどの知見を借りてみるのもよいでしょう。

ダイレクトリクルーティングで成果を出す方法-準備編

ダイレクトリクルーティングで成果を出すためには、基盤となる採用戦略が重要です。この章では、採用戦略設計を6Stepにわけて紹介します。

①ペルソナ設計

採用活動でのペルソナとは、自社が採用したい人物像のことを指します。

募集ポジションで活躍していて、ターゲットと属性も近い社員がいる場合は、その社員の人物像をもとに作っていくのがおすすめです。モデルとなる社員がいない場合は、市場調査や想像できる特徴などをもとに一旦ペルソナを設定しましょう。

②採用計画立案

次に行うのは、採用計画の立案です。

採用計画は必ず事業計画と連動させて考える必要があり、そのためには事業計画に対する深い理解が欠かせません。

事業計画を理解した上で、それを実現するにはどのくらい、どんな人が必要なのかという視点で採用計画を立てていきましょう。

③ポジショニングマップ作成

候補者に自社を魅力的に思ってもらうためには、まず採用市場における自社の立ち位置を知っておく必要があります。その手段として有効なのが、ポジショニングマップの作成なのです。

基準となる2軸を設定し、4象限で自社の立ち位置を整理します。ここで設定する軸は、入社の意思決定にかかわるものであるものにしましょう。

また、似た要素や相関関係の高い軸を設定するのも、あまりおすすめはできません。2つの間に相関関係がない、独立した基準を選ぶことが重要です。

④魅力作り

続いて、自社ならではの魅力を4PとPoDを使って言語化していきます。

4Pとは、企業の働く上での魅力のことで、下記の4要素に分かれます。

  • Philosophy(MVVや価値観)
  • Profession(事業内容や仕事内容)
  • People(働く人や文化)
  • Privilege(働き方や待遇)

4Pの整理ができたら、続いてはPoD(Point of Difference)を作ります。PoDとは、求職者が求めていて競合他社が提供できていない魅力のこと。

③で作成したポジショニングマップや整理した4Pをもとに、自社だけの魅力を言語化していきます。

⑤ブランディング設計

ブランディング設計の効果は、ダイレクトリクルーティングのためだけにとどまらず、採用施策全体に一貫性を持たせることにつながります。

設計図を作成し、自社の採用ブランディングの核となる情報を言語化・整理しておきましょう。図があると施策反映に役立てやすくおすすめです。

⑥CXの策定

最後に、CX(候補者体験)を設計します。

CXの基本の考え方は、合否にかかわらずこの会社を受けてよかったと思ってもらえる選考にすることです。これを念頭に置いて、候補者とのタッチポイントを設計しましょう。設計の際は、キャンディデートジャーニーマップを作成すると設計しやすいです。

ダイレクトリクルーティングで成果を出す方法-実践編

採用広報と組み合わせる

採用広報とは、その名の通り採用を目的とした広報活動のことです。もっともよく行われている手法としては、社員インタビューや社内制度の紹介などの自社の社風や価値観を伝えるための記事発信があります。記事は、Wantedlyやnoteといった外部のプラットフォームや、オウンドメディアを通じて発信されることが多いです。

この採用広報記事や、これから紹介する採用ピッチ資料、採用広報動画、テックブログなどの記事をスカウトメッセージに添付することで、スカウトメッセージだけでは伝えきれない自社についての情報を伝えることができます。

こうした情報が候補者の背中を押してくれ、返信に繋がることも多くあります。採用広報をすでに行っている場合は、このようにスカウトとの合わせ技で候補者への魅力付けをより強固にしていくのがおすすめです。まだ採用広報に取り組めていない場合は、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。

採用ピッチ資料

採用ピッチ資料とは、採用に特化した会社紹介資料です。事業内容や会社の価値観、社風、福利厚生に募集ポジションの詳細など幅広い情報を記載します。なかには、採用ピッチ資料とは別に、企業のカルチャー紹介に特化した「カルチャーデック」を用意している企業もあります。また、エンジニア採用に力を入れている企業の場合は、エンジニア採用に特化した採用ピッチ資料を作成している場合も。

採用ピッチ資料を用意しておくことで、事前に自社の情報を知ってもらえ、よりマッチ度の高い人材と面談を実施することができます。ダイレクトリクルーティングにおいては、自社とマッチしている候補者の意向をより高められるというメリットもあります。

採用広報動画

動画で視覚的に自社の魅力を伝えるのも一手です。

特に雰囲気や社風といったものは、文字べ―スよりも動画や写真などの視覚的なコンテンツの方が伝わりやすいこともあります。

社員インタビュー動画や社内イベントの様子をUPするなど、ビジュアルでも自社のよさを伝えていきましょう。

テックブログ

エンジニア採用に力を入れている企業の場合は、テックブログを始めてみるのもおすすめです。

テックブログは、本来は技術広報としてエンジニアやCTOなどが自社の技術を伝えていくためのものですが、採用広報としても大きな力を発揮します。優秀なエンジニアほど、技術力の高い人と一緒に働きたいと考えていることが多いため、自社の技術力をアピールすることは、そうした人材に対する採用的な意味でのアプローチにも繋がります。

スカウト文に、候補者が興味のありそうな分野やこれまで業務で携わってきた分野に関するテックブログの記事を添付するといった施策を取ることで、自社への興味喚起ができるかもしれません。

会社全体で取り組む

ダイレクトリクルーティングを行う場合、採用部門だけで成功させることは難しく、現場側の協力がどうしても必要になってきます。スカウト返信者に行うカジュアル面談や、そもそもの送付前に行うスカウト対象の選定などが現場の人に入ってもらう場合の代表的な例です。特にカジュアル面談は、より業務に密接した話ができたり、候補者と似たキャリアを歩んでいることで意気投合ができて意向醸成に繋がったりと、現場の人が行うことの効果は大きいです。

できるだけ社内に協力を仰げるように、あらかじめ協力してもらいやすい風土づくりや根回しを行った上で導入すると、導入後もうまくいきやすいでしょう。

自分だけに送られていると思ってもらえるスカウトにする

ダイレクトリクルーティングを行う企業が増えるのに比例して、候補者のもとに届くスカウトも増えてきています。優秀な人材ほど日々たくさんのスカウトを受け取っています。そのなかで、きちんと読んでもらい興味を持ってもらうためには、自分だけに送られているという特別感が重要になってきます。

具体的には、文中に名前や候補者のレジュメを見て得た情報を入れたり、候補者の希望を満たせるポジションであることを文中で伝えたりすることが必要になってきます。

募集背景や仕事内容を具体的に伝える

スカウトを受け取った際に候補者が気になるのは、なぜ自分にスカウトが送られてきたのかという理由です。募集背景や仕事内容を詳しく伝えることで、候補者のどんな部分に魅かれてスカウトを送信しているのかということがより伝わりやすくなります。また、業務のイメージも湧きやすいため、候補者自身にとって、興味あるかないかという判断もしやすくなります。

PDCAを回す

スカウトの返信率や開封率を参考に、スカウト文面の改善や送信するターゲットの見直しなど、定期的に改善を行っていきましょう。高い返信率を誇っていた文面であっても、時間が経つと徐々に返信率が悪くなるということもあります。

こまめに数値をチェックして随時改善していくことが、ダイレクトリクルーティングを成功させる秘訣のひとつです。

最後に、ここまで解説してきた内容やHeaRのメソッドを活用して作ったスカウト文を紹介します。ぜひ貴社のスカウト文作成のご参考としていただければ幸いです。

スカウト文面例

●●●●様はじめまして!

HeaR株式会社の人事の●●と申します。たくさんのスカウトが届いている中、開封いただきありがとうございます!

当社は「青春の大人を増やす」をミッションにHR領域での事業展開を行っています。

日本人の仕事満足度は世界最下位。そんな日本の社会課題(労働意欲の低さ)を解決していきます。

■募集の背景

現在は●●名の採用コンサルタントがおります。一方、ありがたいことにお問い合わせも増え、すべてのご要望にお応えできていない状況です。

(ご支援の質の担保とコンサルタントのリソースを加味して、1人のコンサルタントが担当する企業数を制限しています)。

また、これまでは少数精鋭で事業を伸ばしてきましたが、今後はチームとして成果を出していきたいと考えています。

そのため、マニュアル化・仕組み化を進めチーム体制を強化していきたいと考えています。

採用コンサルティング事業を一つのプロダクトとして練り上げていくフェーズだからこそ、

経験豊富な新たな仲間を迎え入れたいと思っております。

■コンサル業務について

「企業様の採用成功と選ばれる企業づくり」がミッションです。

そのため、採用戦略設計や採用ブランディング支援、採用広報施策の実行など幅広くご支援いたします。

コンサルタント向けには「コンサルカリキュラム」を準備しており、質を担保したご支援ができるようチームとして動いています。

企業様の採用成功に向け、新しいカリキュラムの作成やブラッシュアップを自ら行うことができるやりがいがあります。

実際に、ご支援企業様の内定承諾率を3割→7割へ向上させたり、母集団形成を1年で2.5倍にした実績もございます。実績も増え、組織としての基盤もできつつありますが、まだまだ課題もたくさんあります。

ぜひ、あなた(お名前が見えずすみません)のような方をお迎えし、強いコンサルチームをつくり、事業成長を加速させていきたいと考えています。

今のフェーズだからこそ採用コンサルタント業務に加え、経営観点で事業を推進するスキルや成長と充実の機会をご提供できると考えています。もちろん、転職へのご意向などもあるかと思いますが、よろしければぜひ一度お話の機会をいただけないでしょうか。

弊社のミッションや事業のことはもちろん、今後目指したいキャリアについてなどお話させてください。

それではご応募お待ちしております!

HeaR株式会社(https://hear-jobs.com/

▼採用コンサルタントが語るHeaRの「これまで」と「これから」

https://hear-jobs.com/faf6efca43264b09ae69e9d543657a0d

▼カルチャーデック(組織/採用ポリシー)

https://speakerdeck.com/hear/culture-deck

▽エンジニアについての詳しい内容はこちら▽

https://www.hear.co.jp/recruit/engineer-scout

まとめ

今回は、ダイレクトリクルーティングについて紹介してきました。

ダイレクトリクルーティングとは、候補者にスカウトを送信するなど、自社自らアプローチして接点を作っていくかたちの採用手法です。採用難易度の上昇やミスマッチの増加を背景に注目されています。

転職潜在層へのアピールができたり自社の採用力が強化できたりとメリットも多いものの、工数やノウハウが不足していると実行が難しい手法でもあります。

ダイレクトリクルーティングを成功させるためには、まず基礎となる採用戦略をきちんと設計しておくことが必要です。その後の運用本番のフェーズでは、スカウト文面の工夫、PDCAを回して効果検証を続けることなどが重要になってきます。また、採用広報との重ね技も有効です。

HeaRでは、これまでに100社以上の採用コンサルティングを行っています。そのなかで、ダイレクトリクルーティングの支援はもちろん、採用戦略の構築や採用広報支援など幅広く行ってきました。

もし、ダイレクトリクルーティングの運用や採用活動全般にお悩みの採用担当者さまがいらっしゃいましたら、ぜひ一度HeaRまでお気軽にご相談ください。

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