候補者体験向上に取り組む意味とは
最終面接で複数社の中から自社を選択していただくため
株式会社マイナビが、昨年6月〜7月に実施した2022卒の新規学卒者に関する調査によると、一人当たりの内々定保有数は2.0社、さらに3割近くの学生が3社以上の内々定を保持していました。
また、中途採用においても優秀な人材の場合、複数社から内定をもらっていることが多いのが現状です。こうした採用が難しい状況下で、採用はこれまでの会社側が候補者を選ぶものから、候補者が企業を選ぶものへと少しずつ変化しています。特にハイレイヤー人材や、採用難が叫ばれて久しいITエンジニアにおいてはこの傾向が顕著に表れています。
ここで自社が選ばれるために重要になるのが、候補者体験です。
候補者体験を向上させることで、候補者の中で「あの会社は良い会社だな」「こんな人たちと一緒に働いてみたいな」といった気持ちが醸成されます。さらにエンゲージメントの向上に繋げることができ、最終面接や内定フェーズで、採用競合ではなく自社を選んでもらうことが期待できるのです。
採用のオープン化について
スマートフォンやSNSの普及で誰でも気軽に情報発信ができるようになった現代では、採用のオープン化も急速に進んでいます。以前は、社内の人や実際に選考に参加した人しか知らなかった情報も、今ではネットで検索すればすぐに知ることができる状態です。
実際に7割近くの人が就活中に企業の口コミサイトを閲覧しているとの調査結果もあります。
また、就活生の75%以上がTwitterやLINEのオープンチャットを中心としたSNSを就活に利用しているとのアンケート結果もあり、就活や採用に関する情報は、これまでで最も拡散されやすい時代になっていると言えるでしょう。
参考:
就活生の75.2%がSNSを活用!メリットとデメリットを23卒の調査結果から解説!
こうした中で、もしも候補者体験が悪いと、あっという間にそれが広まってしまう危険性があります。ネット上における悪評は、現在選考中の候補者に不安を抱かせるだけではありません。応募を視野に入れていた潜在的な候補者の意向を下げてしまうことにも繋がり、特に母集団形成に甚大なダメージを与えてしまいます。
しかし、逆に候補者体験が良い場合は「あの会社の選考よかった!」という口コミが広がることにより、母集団形成への大きな助けとなることもあります。特に、知名度が高いとは言えないスタートアップやベンチャー企業にとっては、応募者を集め、採用を成功させるためのチャンスとも捉えられます。
このように、候補者体験は採用がオープン化する現代において採用を左右しかねない重要な意味をもつため、昨今注目されているのです。
新卒や中途の転職者に刺さる候補者体験について
採用競合に勝つためには、現在の候補者体験を見直しつつ改善し、より良い候補者体験を設計していくことが重要です。ここからは、どうすればより良い候補者体験を設計できるのか、具体的な方法を紹介していきます。
採用活動における候補者とのタッチポイントは、以下の4つのフェーズに分類できます。
- 認知
- 応募
- 選考
- 内定~入社
また、これに加えてフェーズ0としての事前準備が重要になってきます。候補者体験の改善・向上に取り組む前に、自社の魅力の洗い出しや採用計画の設計、採用基準やペルソナの策定など、採用活動の基盤となる部分をしっかりと固めておきましょう。
基盤をしっかりと固めたら、早速各フェーズごとの設計・改善に入っていきます。
認知
認知フェーズでは、自社の採用基準に合致する人材に、自社に対して好印象を持ってもらえることを目標とします。インタビュー記事や採用サイトなどを通じて、自社の認知を広げていきます。転職意欲がなくとも自社を知ってもらうことで、実際に転職活動を始めた際に応募候補に入れてもらいやすくなることが期待できます。
応募
応募のフェーズで重要になるのが、候補者への連絡のレスポンスの速さや丁寧な対応です。候補者は、自社以外の企業も受けていることがほとんどです。そんな中で、連絡が遅かったり誠実な対応ができていないと、印象が悪くなり辞退に繋がることも。小さなことですが、一つひとつの連絡を丁寧に行うことで候補者からの信頼を勝ち取り、候補者体験をより良くしましょう。
選考
選考のフェーズは入社意欲を高める上で欠かせない、候補者体験の中でもとりわけ重要なフェーズです。昨今ではオンラインとオフラインを交えた選考を行っている企業も多いかと思いますが、オンラインでもオフラインでも一貫した体験を作り上げることで候補者は安心し、候補者体験も向上します。対面での選考時にアメニティを渡している場合は、Webでもオンラインアメニティを用意してみるのもよいでしょう。
また、採用ピッチ資料や当日の担当面接官のインタビュー記事を送付しておくなどの情報提供を行っておくことで、「会う前からたくさんの情報提供してくれる誠実な会社だ」という好印象にも繋がります。特に採用ピッチ資料は、事前に送っておくことで自社に合わない候補者は辞退されるため、スクリーニングの面でも役に立ちます。
内定~入社
内定から入社フェーズでは、フォローやケアが大切になってきます。 内定を承諾されたら終わりではなく、入社まで継続的に接点を持っていくことで候補者体験は向上します。現場社員との面談を行ったり、社内イベントがあれば参加してもらったりするのがおすすめです。
最後にHeaRで取り組んでいる候補者体験向上のための施策を一部紹介します。皆様の参考になれば幸いです。
- スピード重視のやりとり
HeaRでは素早い対応の定義を1時間以内としています。採用においても、応募や連絡はSlackで通知が来る仕組みを構築しており、原則人事が即対応します。もし業務の都合で難しい場合は、手の空いているメンバーが対応しています。
- 青春ドリンクの提供
HeaRで大切にしている「働くって、青春だ」の価値観を体感してもらうため、面接に来られた方全員にポカリスエットを提供しています。その際、「あなたにとっての青春ドリンクはなんですか?」と質問し、アイスブレイクも兼ねて青春の思い出や価値観に関する対話をしています。
まとめ
ここまで、候補者体験向上に取り組む意味や、取り組み方について解説してきました。
今回HeaRでは、「採用CXを向上させるための158項目」をまとめたシートを作成しました。このシートには、本記事では書ききれなかったタッチポイントごとのアクションプランなども網羅的に収録しています。
「候補者体験向上に取り組みたいけれど、自社で具体的にどう改善したらいいかわからない…」と悩まれる採用担当者様にピッタリの資料となっています。
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