人材紹介とは
1-1. 人材紹介の仕組み
人材紹介とは、人材紹介会社に登録している求職者のなかから自社にあった人材を送客してもらえるサービスを指します。具体的には以下のようなフローで人材紹介会社と採用活動を進めていきます。
- 人材紹介会社(RA)と商談
- 契約書締結
- 企業情報や採用要件などを共有して、人材紹介会社が求人票を作成
- 人材紹介会社から自社にあった人材を推薦してもらう
- 書類選考
- 面談(複数回)
- 内定
- 入社
- 成果報酬の支払い
1-2. 人材紹介にかかる費用
人材紹介サービスの料金体系は、一般的に成果報酬が主流です。紹介してもらった求職者が内定承諾をして、実際に企業に入社することで料金発生が確定します。
支払うべき料金は採用された求職者の年収に基づいて計算され、現在の相場は年収の30~40%です。例えば年収400万円の人材が入社した場合は、120〜160万円の成果報酬となります。
しかし、入社した求職者が早期退職するリスクも存在します。このような状況を考慮して、人材紹介会社は短期間での離職が発生した場合には支払った料金の全額または一部を返金する規定を設けていることが多いです。これにより企業側のリスクを軽減し、より安心して人材紹介サービスを利用することができます。
1-3. 人材紹介経由の採用で追うべき3つの指標
人材紹介経由の採用が上手くいっている企業とそうではない企業の違いは以下3つの指標です。
- 契約社数
- 一社あたりの紹介人数
- 推薦者の歩留まり(紹介の質)
エージェント側も多くの企業を担当しているので「自社に紹介したい」と思ってもらえるような関係構築が必要です。後章で指標を向上するためのエージェント開拓・コミュニケーションについて紹介します。
高知県の採用市況感
2-1. 高知県の有効求人倍率
令和5年12月の高知県の有効求人倍率の状況によると、2023年12月時点の高知県における全職種の平均有効求人倍率は1.14倍です。有効求人倍率が1を超えるということは、求職者数よりも求人件数が多いこと(=採用難)を表します。企業側は「求職者を選ぶ」から「求職者から選ばれる」への意識転換が必要です。
2-2. 高知県の採用動向
高知県は豊かな自然環境を背景にした農業や漁業が基盤となっており、これらの産業での採用需要が安定しています。特産品である柚子やカツオなどの加工・販売に関わる業務では、季節に応じた雇用の機会が見られます。
観光業も高知県経済の大きな柱の一つです。四万十川や桂浜などの自然景観や、坂本龍馬記念館などの歴史的施設を訪れる観光客向けのサービス業で多くの採用が行われます。
最近では地方創生の一環として、高知県内でも新しいビジネスモデルを持つスタートアップ企業や、IT関連の業務を地方で展開する企業が増えてきています。従来の農業や漁業、観光業だけでなく、デジタルスキルや創造性を生かした新しい形の就職機会が生まれました。また高知県は若い世代の雇用創出を目指しており、地域おこし協力隊などの公的なプロジェクトを通じて移住してきた人材を積極的に採用しています。
人材紹介を利用するメリット・デメリット
3-1.メリット
人材紹介を利用することのメリットを4つ紹介します
自社に合った人材を採用できる
人材紹介では、エージェント(RAやCA)が求職者と企業の両者に詳細なヒアリングを行います。企業の採用要件と求職者の就職要件をどちらも考慮したうえで、自社にマッチしている人材を紹介してもらえるため、求める人物像に限りなく近い人材を採用することが可能です。
認知度が低い企業でも採用できる可能性が高い
認知度が低い企業は、求人サイト経由の応募数が伸びづらい傾向にあります。しかし人材紹介ではエージェントが求職者に対して企業紹介を丁寧に行うため、企業の認知度に関わらず応募を集めることが可能です。そのためには日頃から各人材紹介会社と関係構築を行い、「御社に紹介したい」と思ってもらうコミュニケーションが必要です。
採用が成功するまで費用がかからない
人材紹介は成果報酬型のサービスです。そのため採用が成功し、求職者が入社にいたるまで費用は発生しません。初期費用・月額費用をかけずに自社に合った人材を採用することができるため、採用予算を効率的に活用できます。
採用担当者の工数削減
採用活動を全て自社で行うと、求人票作成や書類審査、面接などで膨大な業務量になります。人材紹介を活用すると、母集団形成や一定のスクリーニングは事前に完了した状態で求職者を紹介してもらえるので、採用担当者の工数を削減することが可能です。自社の採用要件を丁寧にすり合わせるほど工数も削減されることでしょう。
3-2.デメリット
人材紹介を利用することの懸念点を3つ紹介します
費用が割高になる可能性
人材紹介の費用は、成果報酬です。年収の30~40%の費用が採用した人数分だけ必要となります。人材紹介経由で年収400万円の人を10名採用した場合は、1,000万円以上の費用がかかります。人材紹介経由で複数人採用する場合は他の採用手法と比べて費用が割高になる可能性があるため、人材紹介経由の予算と採用要件は事前に言語化しておきましょう。
自社に採用ノウハウが蓄積されない
メリットで紹介した「採用担当者の工数削減」の裏返しですが、自社で行う採用業務が少なくなります。母集団形成やスクリーニングの一部を外注するため、採用ノウハウが蓄積されないことが懸念点となります。全てを紹介会社に任せきりにするのではなく、積極的にエージェントと伴走した採用活動を推進していきましょう。
採用が長期化する可能性
人材紹介からすぐに求職者を紹介してもらえるとは限りません。特に採用要件が高い場合や採用条件が良くない場合は、エージェントも積極的に推薦してくれません。採用要件や条件面を妥協できない場合は、長期的な採用を視野に入れる必要があります。
高知県でおすすめの人材紹介会社6選
高知県で実力・実績がある人材紹介会社を6社ご紹介
株式会社SHIFT PLUS
所在地:高知県高知市駅前町1-8 第7駅前観光ビル
企業URL:https://shiftplus.inc/
特徴:高知県高知市に拠点を構えて四国地方密着型の人材紹介サービスを展開
高知を中心とする四国(香川・愛媛・徳島)のIT企業への転職サービス「BUNTAN(ブンタン)」を運営
対応職種:エンジニア・webデザイナー・総務・人事・営業・機械設計 など
アビリティーセンター株式会社
所在地:愛媛県新居浜市坂井町2-3-17
企業URL:https://www.abi.co.jp/
特徴:愛媛県、高知県、香川県、徳島県に拠点を構え、四国特化の人材紹介サービスを提供
高度外国人サービス・農業人材サービスも展開
株式会社リージェント
所在地:香川県高松市寿町一丁目1番12号 パシフィックシティ高松3F
企業URL:https://www.r-regent.jp/
特徴:Uターン・Iターン転職希望者を専門とした人材紹介サービス
紹介する人材の平均年齢は38歳
求職者像
24%:管理部門系
21%:営業系
20%:電気・電子・機械技術者
10%:経営幹部・管理職
9%:ITエンジニア
8%:素材・食品・医薬品技術者
アールシステム株式会社
所在地:高知県高知市北本町2丁目8番21号アール駅前ビル
企業URL:https://www.r-sys.co.jp/
特徴:高知県高知市に拠点を構えて地域密着型の人材紹介サービスを展開
高等学校や専門学校の運営、介護支援も提供
株式会社クリエアナブキ
所在地:香川県高松市磨屋町2番地8
企業URL:https://www.crie.co.jp/
特徴-:高知に拠点があるため、四国地方の採用実績が豊富
四国(徳島・松山・香川)や東京、大阪、名古屋に拠点を持っているため、県外からの採用実績も豊富
UIターン転職に特化した「UIターンセンター」と連携しているため、UIターン採用が得意
WDB株式会社
所在地:愛媛県松山市一番町3-3-3 菅井ニッセイビル 7F
企業URL:https://www.wdb.com/branch/matsuyama
特徴:愛媛県松山市に拠点を構えて地域密着型の人材紹介・人材派遣を展開
理学系・工学系・事務系の人材紹介が得意
博士号レベルの人材から研究者をサポートする補助者や分析などを担当する技能者まで幅広い人材を紹介可能
エージェント開拓・コミュニケーション方法
人材紹介を巻き込んだ採用活動を成功させるためには、以下3つの指標を高める必要があります。
- 契約社数
- 1社あたりの紹介人数
- 推薦者の歩留まり(紹介の質)
各指標を高めるためのエージェント開拓・コミュニケーション方法のコツを紹介していきます。
エージェント開拓
契約エージェント数を増やす活動です。採用ターゲットによって開拓すべきエージェントも異なります。相性が悪いエージェントとの連絡・商談が増えると時間対効果が悪くなるため、自社の採用ターゲットにあった企業を探しましょう。
- 職種別:営業職に強いエージェント or 厨房職に強いエージェント など
- 地域別:一都三県に強いエージェント or 北海道に強いエージェント など
- 経験別:ジュニアクラスに強いエージェント or シニアクラスに強いエージェント など
エージェント向けドキュメントの制作
エージェントが紹介したくなる情報を掲載した資料・ドキュメントを制作する業務です。
- 書類通過率/内定承諾率
- 内定承諾者情報(定量/定性)
- 選考辞退理由
などを記載しておくとエージェントが紹介しやすくなり、紹介数・質向上が見込めることでしょう。
エージェント向けアンケート
エージェントのニーズや意見、フィードバックを収集する手法です。アンケートを通じて、エージェントの現在の満足度や要望を把握し、サービスの改善や新しい取り組みの方向性を設定することができます。
- 例:◯◯職採用における想起集合の状態(最上位/上位/下位)
- 例:求職者へのプッシュポイントの理解度を数値化
- 例:エージェントコミュニケーション量・質を数値化
エージェント向け説明会
エージェントとの関係を深めるための、情報提供や交流の場を設ける活動です。採用活動の状況や新規事業の紹介、エージェントの疑問や懸念を解消するためのセッションなど、相互の理解を促進することを目的としています。コロナが落ち着いた最近は、オフィスに招いて会社見学会も合わせて行う企業が増えています。
エージェントとの1to1コミュニケーション
エージェントとのコミュニケーションを行う業務。定例ミーティングや都度の連絡で以下のようなコミュニケーションを取ることで紹介数・質向上を狙います。
- 推薦者の擦り合わせ推薦者のマッチ度を擦り合わせることでエージェント側の解像度が上がり紹介数・質が向上
- 採用情報のアップデート共有採用情報の都度共有することでエージェント側の想起集合に入り紹介数・質が向上
- 紹介促進の連絡ストレートに紹介依頼をすることで紹介数・質が向上
エージェント分析
エージェントごとのデータや活動を分析する業務です。紹介数が多い企業・歩留まりが良い企業を可視化することで、関係構築すべきリソースの最適化を図ります。HeaRが提供している「HITOME エージェント」では様々な指標を可視化することが可能です。
- 例:エージェント毎の紹介数
- 例:エージェント毎の書類通過率
- 例:エージェント毎の決定率
人材紹介会社にとってはならない行動
1. 低い紹介料の提示
エージェントへの報酬を抑えることは推奨されません。エージェントも売上を向上させたいと考えているからです。
例えば通常35%の報酬で契約しているエージェントに対し「全エージェントに30%でお願いしているので…」と5%値切りする形で依頼するとします。
たった5%の差でも、年収500万円の人材が採用された際には、
年収の30%・・・150万円の成果報酬年収の35%・・・175万円の成果報酬と25万円の差になります。
企業としてコストを抑えたいのは理解できますが、報酬の低さが理由で注力企業から外れ、優秀な人材の紹介が遅れる可能性もあるため注意が求められます。
2. コミュニケーション不足
コミュニケーション量が少ないのも問題です。エージェントの注力企業に入るためにはコミュニケーションを密に取り、協力する姿勢が重要です。
コミュニケーション量が少なく、最新情報を共有しないままでは、
- 注力企業に入れない
- 紹介数が増えない
- 自社とマッチした人を紹介してもらえない
など、悪循環に陥ります。
定期的に情報交換を行い、採用の質を向上させる努力が必要です。
3. ノルマ設定
「今月は〇〇名の紹介をお願いしますね」とノルマを提示するのは逆効果となります。
指定された人数の紹介を目指そうとすると、ターゲットから外れた人材も紹介せざるを得なくなることがあります。
これにより採用につながらなかったり、採用されてもすぐ離職する人材が出たりと、企業とエージェント双方にとって無駄な人件費が発生することになります。
双方にとって良い結果を得るためには、ノルマを提示するのではなく、紹介しやすい企業としての評価を高める努力が効果的でしょう。
まとめ
今回は高知県の人材紹介サービスを紹介しました。自社に合いそうな企業の開拓・関係値構築を図ってみてください。
一方、全エージェントとコミュニケーションを取る工数が不足している企業も多く存在します。HeaRではエージェント開拓・コミュニケーションを代行し、紹介数・質ともに高めることが可能です。人材紹介の活用にお困りの際はHeaRにご相談ください。