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【決定版】採用要件(ペルソナ)の設計方法&フレームワークを大公開
2023-05-09

【決定版】採用要件(ペルソナ)の設計方法&フレームワークを大公開

監修者

HeaR株式会社 代表取締役 大上 諒
2016年、コンテンツマーケティング支援のサムライト株式会社に入社。同社で30社以上のメディア運営に携わったのち、新規事業の責任者として複数の事業立ち上げに従事。
2018年にHeaRを設立し、累計100社以上の採用支援に関わる。「青春の大人を増やす」をミッションに複数のHRサービスを展開中。

著者

HeaR株式会社 編集部
採用のプロフェッショナルが複数在籍し、採用戦略・ブランディングから実行までを一貫で手がけるHeaR株式会社。
著者の詳しいプロフィール

目次

「採用の成功可否は”ペルソナ”で決まる」 とHR業界・人事界隈ではよく言われます。

しかし、ペルソナはどの粒度でどのように作成すればよいかわからない方も多いです。また、作成したものの面接や採用基準への応用方法はあまり知られていません。

ペルソナをしっかり設定することにより、結果的に母集団の質・量を向上させることができます。HeaRでは累計100社以上のペルソナを策定してきました。 そこで、本記事ではペルソナ設定をするための採用要件の決定方法から活用方法まで一気通貫でご紹介します!

具体的には、

  • ペルソナ策定に必要な項目
  • 採用基準はBest/Better/Normalで分ける
  • 面談の質問設計

など重要なポイントをご紹介していきます。

採用におけるペルソナ設計とは?

ペルソナとは、そもそもマーケティングにおいて活用される概念のことで、「サービス・製品の典型的なユーザー層」のことを指します。これを採用のシーンで置き換えると、【最も採用したい理想の人物】のことを意味します。

ペルソナと似た言葉で、ターゲットという言葉も使われます。しかし、この2つは似ているようで明確な違いがあります。それは、設定方法パーソナリティの有無です。

ターゲットの場合、性別や年齢、年収など一般的なデータから層を分けて「絞り込む」ように設定します。一方でペルソナは、1人の人物を想定して、より詳細な人物像を「作り込んでいく」設定方法です。そのため、設定の仕方が大きく異なります。

また、ターゲットは「人材層」を指すのに対し、ペルソナは「特定の1人」を想定するためパーソナリティを持っています。一般的なデータだけでなくライフスタイルや趣味なども加味して設定することが多いです。

参照:https://www.phonogram.co.jp/column/post-4.html

ペルソナ設計のメリット

ペルソナ設定のメリットは大きく2つあります。

1.候補者の「スクリーニング」を適正に行うことができる

2.候補者を惹きつける「アトラクト」を行うことができる

「スクリーニング」とは自社にマッチしているかどうか見極めることです。ペルソナ設定をしっかりと行っていない場合、下記のような問題が発生してしまいます。

  • 採用基準が異なり、進捗が不安定になる
  • 入社後のミスマッチが起こりやすくなる など

一方、「アトラクト」とは候補者に興味を持ってもらえるように行うことです。具体的な人物像が定まっているので、どういったことに興味を持つかをある程度予測することができます。もし、ペルソナ設定を行っていなければ

  • どの採用媒体を活用してよいかわからない
  • ターゲット外からの応募が多くなる などの問題が発生します。

このようにペルソナを設定することで、採用活動全体の指標が定まり、より効率的にかつ円滑に進めることができます。

今すぐ実践!ペルソナの設計方法

ペルソナの設定方法をご紹介します。

1.採用要件を整理しましょう

募集ポジションが求めているスキルや性格を整理しましょう。

▼定量要件例

・経歴 ・年収 ・保有スキル など

▼定性要件例

・目標 ・課題 ・口癖 など

2.下記例を参考にペルソナを図式化しましょう

図式化することでよりイメージがしやすくなります。

募集ポジションで活躍している現社員(人材)を参考にペルソナ像を具体的に決めよう

より詳細の採用要件の設計方法は下記ページをご覧ください。

採用要件の設計方法を確認する

ペルソナ設計の注意点

1.主観だけでつくらない

ペルソナを設定するときは、第三者の意見や調査データを参照することがおすすめです。

人事部や採用担当者のみの「このような人が活躍してくれるだろう」という予測で採用要件を作成してしまうと、現場の方と意見が異なり入社後にミスマッチが起こりやすくなります。 また、採用市場調査を行っていない場合、採用要件を満たした人物が市場に存在しない、または希少な人物で採用に繋がらない、採用計画を達成できないという可能性があります。

実際に現場で活躍している社員へのアンケートや競合社員、求職者の傾向など、データを根拠にすることで入社してくれる人材と親和性の高い基準を作成することができます。ペルソナはあくまでも「社内で共通認識ができる理想の採用人物像」くらいで考えることが大切です。

2.定期的な見直しが必要

ペルソナは一度作り上げたらそれで終わりではありません。募集ポジションや現場の状況によって、求められる条件は変化します。また、候補者の傾向も変化するため、それに伴いペルソナも変更する必要があります。

フレームワークシートで解説!ペルソナの活用方法

1.採用基準の設定方法

前述の通り、ペルソナに100%当てはまる人材を探すことは困難を極めます。そこで採用基準を段階的に設定する「Best/Better/Normal」のフレームワークが役立ちます。

使い方はシンプルで、

  1. 採用基準の項目をリストアップ
  2. 各項目のBest/Better/Normalを定義
  3. 採用基準を設定

の3ステップです。

例えば営業経験のBest/Better/Normalを策定する場合、以下のように定めることができます。

・Best:法人向け×無形商材×HRサービス
・Better:法人向け×無形商材
・Normal:法人向け×有形商材

また採用基準を「Bestが○個以上、Betterが○個以上、Normalが○個未満ならば採用」と事前に定めると良いでしょう。
現場社員やそのポジションの評価者となる上長と認識を擦り合わせながら設定すると採用基準が曖昧になることはありません。

2.面接評価項目の設定方法

面接では「どのような要素を、どうやって見極めるか」を明確にするため、候補者の「コンピテンシー」と「リスクパターン」を定義することをオススメしています。

コンピテンシーとは、「高い業績や成果につながる”行動特性”」を意味します。コンピテンシーを有する社員は自社で活躍する可能性が高いということです。

反対にリスクパターンとは「業績を下げる・鈍化させるリスクを有する行動特性」を意味します。リスクパターンを有する社員は活躍しにくい傾向にあります。

採用基準では、自社といかにカルチャーマッチしているかで設定しました。一方、コンピテンシーとリスクパターンはスキルを分解し、どれだけ活躍してくれるかを知るために設定します。下記の例を参考に、候補者とのスキルセットを確認しましょう。

▼コンピテンシーの例

・現状解決力(現状把握して論理的に結論を導き出す力)
・達成行動力(自分の考えに自信を持って結果にコミットする力)
・自己管理能力(想定外のことがあっても対応できる力)
・人間関係構築力(チームで共有し、WINWINの関係を築く力)

▼リスクパターンの例

・他者依存(他社の評価や評判を気にする)
・秩序傾向(決められたやり方に固執する)
・衝動性(一時的な感情に振り回される)
・完全主義(完璧を追い求めるあまりアウトプットが出せない)

コンピテンシー一覧を閲覧する

3.質問項目を作成する

これまでペルソナや採用基準、コンピテンシーなど面接のための事前準備を行ってきました。これらを基に面接の質問項目を用意しましょう。

ここでは、候補者のカルチャーフィット、スキルフィットを見極めるためにSTAR面接と呼ばれる構造化面接が役立ちます。

STAR面接はGoogle社でも活用されている面接手法です。

  • Situation(環境・背景)
  • Task(課題・役割)
  • Action(本人が取った行動)
  • Result(結果)

の順番で候補者の行動特性を深掘りしながら把握していきます。

各コンピテンシー・リスクパターンに対してSTAR面接(構造化面接)を活用しながら深堀りすることで、面談時に得られる候補者の情報が多くなるでしょう。

▼コンピテンシーチェックの質問例

【現状認識能力】

Q1. あなたが仕事で困難を乗り越えた経験を教えてください
Q2. それはどのような状況だったのですか?
Q3. 状況下においてあなたの役割はどのような役割でしたか?
Q4. 困難な状況の中、あなたはどう行動しましたか?
Q5. 最終的に結果はどうなりましたか?

【チェックすべきこと】

・現状を正しく認識できているのか
・自身の役割を正しく理解しているか
・状況に対する対処方法は適切か

▼リスクパターンの質問例

【秩序傾向・衝動性】

Q1. あなたが出したアウトプットを上司に指摘されたことはありますか?
Q2. 事業成長におけるあなたが出したアウトプットの目的はなんですか?
Q3. アウトプットを出す上で事業課題は何でしたか?
Q4. 上司に指摘された後、あなたはどう行動しましたか?
Q5. 最終的に結果はどうなりましたか?

【チェックすべきこと】

・自分の出したアウトプットに固執しないか
・指摘された時に真摯に受け止められるのか
・改善案を出せるか、改善手法は適切か

このように面接本番で深掘りするだけでなく、事前に質問事項を準備し自社とマッチしているかを調べるようにしましょう。

STAR面接フレームワークの資料をダウンロードする

番外編:面談で聞いてはいけないこと

面談で気をつけておきたい点として「タブーとされる質問内容」が挙げられます。

例えば「本籍・出生地」「生活環境・家庭環境」など、本人に責任の所在がない質問は避けるべきとされています。
「家族の職業・続柄・健康・地位・収入・資産」「間取り・部屋数・近隣施設などの住宅状況」といった項目も本人に責任がないうえ、仕事とは関係のないプライベートな質問なのでNGです。

また、個人の自由が認められている分野についての質問もマナー違反となります。
これらは対立や衝突が発生しやすい話題として「3S」として括られています。

すなわち「宗教」「政治・支持政党」「スポーツ」。こちらの3つは衝突が発生しやすい話題のため避けた方が良いと言われます。
他にも「人生観・生活信条」「尊敬する人」「思想」といった分野も候補者に不快感を与える可能性があるので避けましょう。

意外なところでは「労働組合(加入状況・活動歴)」「学生運動をはじめとする社会運動」「購読新聞・雑誌・愛読書」などにも注意が必要です。
社会的な価値観が反映されやすい項目なので、基本的には刺激しないのがベターです。

また選考結果に関わらず「この企業を受けて良かった」と候補者に思っていただけるようなCX(候補者体験)の設計が大事です。HeaRでまとめた面接体験のチェックリストがございますので、候補者に「選ばれる」面接体験が設計できているかチェックしてみてください。

面接体験のチェックリストをダウンロードする

まとめ

ペルソナの設計から活用までのステップをお伝えしました。

  1. ペルソナを設計する
  2. 採用基準をBest/Better/Normalで設定する
  3. コンピテンシーとリスクパターンに照らし合わせる
  4. 面談時の質問項目を設計する

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