自社らしさで勝つための採用競合の分析方法とは

採用担当者にとって、「最終選考をクリアした人が他社に流れてしまう」ことはとても大きな悩みです。
「なぜ、自社にきてもらえないのか」と考える中で、様々な要因が出てくると思われますが、最終的に自社を選んでもらうためには企業としての魅力づけや他社との差別化が重要になります。

自社の魅力は発信しているつもりになっていても、「他社との差別化ができていない…」、「そもそも競合との勝ち方がわからない」という企業も少なくありません。

そこで重要となってくるのが、採用の競合分析
ここでの競合分析は、他社との勝ち負けよりも、自社がオンリーワンになれる存在にしていくためのリサーチ/分析のことです。
つまり、自社の独自性や自社にしかない魅力をいかに候補者に伝えるかが重要なのです。このことにより、他社と戦ったりバッティングすることがなくなります。
この記事では、オンリーワンの企業になるための競合分析の方法を詳しくお伝えします。

競合分析をする5つのメリット

先ほどもお伝えした通り、自社と競合をしっかりと分析することによって、自社らしさを明確にすることが可能です。
では、ここからは競合分析を行うメリットについて詳しく解説します。

1.他社との戦いを避けられる

今まで採用において、「競合との戦いは避けられない…」と思われていました。しかし、これからの採用は他社との戦いでなく、候補者に自社の魅力をいかに伝えるかが重要です。そのために、競合分析を徹底的に行うことが求められます。
競合分析を行うことによって、他社との無駄な戦いやバッティングを避けることも可能です。採用において「他社と戦う時代」はすでに終わっているのです。

2.転職市場やビジネス市場での自社のポジションを知ることができる

競合分析を行うことで、自社の現在のポジションを知ることができます。これは、自社の魅力を理解するために欠かせません。
候補者にとって、最終的にどの企業を選ぶかは大きな悩みとなります。そこで、重要な決め手となるのは、採用担当者が自分の会社の魅力をいかに伝えることが出来たかです。
自社のことを理解し、熱意を持って相手にそれを伝えるためには、様々な市場において自社のポジションを知っておくことが必要なのです。

3.他社と自社で悩んでいる候補者の魅力づけが具体化される

自社のポジションを理解し、他社との違いを理解した採用担当者は強いです。
何が強いのか、それは、最終選考をクリアした候補者に自社の魅力を具体的に伝え、「自社のことが一緒に好きになってもらえる」チャンスが増えるためです。
採用担当者の多くは、自社の魅力を一生懸命伝えますが、候補者からしてみれば、「何が魅力的なのかさっぱりわからない」「それは働いているあなただから感じるもの」といったドライな印象受けがちです。しかし、そういったドライな気持ちを温め、最終的に自社を選んでもらう最善の方法は、「自社の魅力を具体的に伝えること」なのです。

4.同業他社との差別化を図ることができる

競合分析をしていくと、他社との違いが明確になります。この「違いが明確になる」ことが、自社の魅力を具体的に伝えていくための第一歩です。
候補者に対して「これが弊社の魅力です」と伝えても、競合分析がしっかりできていなければ「それって〇〇社と同じだよね」となってしまいます。
実際のところ、他社との差別化が十分できていない会社ほど採用がうまくいっていないのです。採用における「他社との差別化」は避けることができない命題です。

5.他社と比べたときの不足点がわかる

競合分析は、採用にとどまらず自社のビジネスを加速させることにも役立ちます。
ビジネスにおいてスピード感はとても大切ですが、闇雲にスピードをあげたところでアクシデントが起こることはわかりきっていますよね。
そこで大切なのが、「自社の不足点を明確にして、改善すること」です。これは採用に限ったことでなく、会社全体として考える必要のあることと言えるでしょう。

採用競合の洗い出し方6選

ここからは、採用における競合の洗い出し方について、いくつかのポイントをご紹介します。先ほどからお伝えしている通り、競合分析する理由は、他社と戦うためではありません。
あくまでも、自社の魅力を改めて理解し、相手に伝えるためであることは常に覚えておいてください。

1.自社の採用状況を把握する

まず、採用競合を理解する前の段階として、自社の現状をどこまで理解しているか確認しましょう。例えば、
・自社に応募してくれる理由は何か
・志望度の高低、その理由
・自社の魅力の打ち出しポイント、逆に弱点は何か
これらのことは最低でも理解しておく必要があるでしょう。特に、現在打ち出している自社の魅力は、候補者にとって本当に魅力として見えているのかどうかです。
客観的に見た時、それが弱点に見えている可能性もあるのです。誰にとっても魅力的だと思ってもらえるような打ち出し方をしなければいけません。

2.面接でヒアリング・アンケートの実施

ヒアリングやアンケートで聞いてみることは大切です。しかし、単に聞くだけでは相手も抵抗感を感じてしまうことになりかねません。
そこで、これを相手に確認する最大の目的は、「転職の軸を把握すること」で、自社が提供できることとそうでないことを明確に伝えることができるということについて、しっかりと伝えましょう。
特にヒアリングの際には、十分注意して、相手が抵抗感を感じたり、勘違いしたりしないように気をつけなければなりません。

3.新入社員からヒアリング

新入社員は、自社を選んだ理由が必ずあるはずです。その理由を聞き出して分析しない手はありません。
いろいろな聞き方や聞きたい内容はあると思われますが、例として聞いておくべきことは以下の通りです。
・他社で印象に残っているWebサイト
・説明会、求人サイト、SNS、採用広報記事などで印象が良かった内容やデザイン
・なぜ自社を選んだのか、自社と他社をどのように比べていたのか、決断した理由
これらを理解しておくことで、採用活動や自社分析のための情報をたくさん集めることができます。

4.採用支援会社や転職エージェントから情報を得る

自社の魅力を考える上で「第三者」からの情報は重要なものです。そこで、採用支援会社や転職エージェントとのつながりを活用し、次のようなことを聞いておくと良いでしょう。
・自社がよくバッティングしている企業の特徴や傾向について
・他社でエントリーが増えた場合、それはどんな募集内容だったか
・他社で取り組んでいる採用方法は何か
これらの要素を一つ一つ分析することで、他社と自社の違いを明確に知ることができます。これからの採用は、競合よりも独自性の時代です。他社の良いところを認めつつも自社の魅力を最大限に伝えなければなりません。そのためには、第三者からの情報は必要不可欠です。

5.他社の求人票、求人広告を研究する

求人票や求人広告は、求職者や採用活動をする人たちが確実に目を通すものです。
ここで自社の情報を隠すところは信用されず、採用おろか会社自体のイメージが悪くなってしまいます。
また、他社の情報をしっかりチェックしておくことで、自社の思いがけない魅力に気づけることもあります。特に、以下の点を注意して見ておきましょう。
・他社が求職者に対してどのような訴求をしているか
・給与水準の自社との比較
・福利厚生の自社との比較
これらの中で、「求職者に対する訴求」は、その会社が考える「自社の魅力」であることは間違いありません。
どういった訴求をしているのか、訴求の仕方が以前と変化しているか否かも含め、丁寧に確認しておきましょう。

6.ネットの口コミサイトを研究する

口コミサイトは、誰にでも書き込めることから信頼性は低いかもしれません。ただ、匿名性が高い分リアルなことを書ける場所でもあります。
そのサイトを採用担当者が見ている可能性を理解した上で書き込む人も多いのです。
今後の採用活動で見ておくべきところは、以下の通りです。
・自社、他社の応募辞退理由は何か
・自社、他社の内定辞退理由は何か
・自社、他社の代謝理由は何か
この3点を見ていただいてわかる通り、口コミサイトでは採用担当者が直接聞いても教えてくれないようなことがたくさん書いてある可能性があります。
そこで、仮説の一つとして口コミサイトを分析した上で、実際のデータをとりにいくことが重要になります。
口コミサイトはあくまでも匿名性が高いものなので、信用しすぎることのないようにしましょう。

競合分析の実際の方法

では、ここからは実際に競合分析を行う方法について、いくつかご紹介します。
これらをうまく活用し、分析を丁寧に行うことが自社の魅力理解につながり、採用を成功させるきっかけになるでしょう。

競合分析に使えるフレームワーク

競合分析には様々なものがあります。今回は「3C分析」「4P分析」「SWOT分析」の3つをご紹介します。
どれも難しくありませんので、一つ一つを理解して自社の理解促進に活用していただければと幸いです。

3C分析

3C分析は、「カスタマー(市場・顧客)」「コンペティター(競合)」「カンパニー(自社)」の3つのCの頭文字をとった、マーケティングにおける基本のフレームワークです。
このフレームを採用に活用することが十分に可能です。
これらの3つを詳しく見ていくと、まず、カスタマーは候補者に置き換えられます。つまり、「候補者が企業選びで重要視していること」などと考えることができます。
次に、コンペティターは自社と比較検討する相手です。これは、採用における競合企業はどこなのか、採用活動はどのように行なっているかなどを知ることができます。
そして最後に、カンパニーは採用活動における強いと弱みです。自社のブランド力やネームバリューは?仕事の面白みややりがいは?などを考えることになります。
この3C分析を丁寧に行うことで、後々SWOT分析とのつながりが出てきますので、覚えておきましょう。

4P分析

次に、4P分析についてです。4P分析を行うメリットは、採用計画を見直す上で欠かせないポイントになります。

Product…求職者へ伝える自社の魅力や強みとは何か
Price…採用活動資金について
Place…説明会や面接会場は良い選択ができているか
Promotion…採用の広報やツールは最適か

これらのことは、採用に関する全体的な部分をみることになりますが、会社の「第一印象」を決める重要なところですので、一つひとつを徹底的に確認するようにしましょう。
特に説明会や面接会場は応募者にとって会社の印象を決める大きな要因と言えます。無理をして大きなところや高級なところを選ぶ必要はありませんが、会場選びから自社の魅力発信が始まっていることを理解しておきましょう。

SWOT分析

これは、「Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)」の頭文字をとった分析方法です。
SWOTは、日頃から採用活動を行う上で考えていること、自社の魅力をどのようにアピールしていくかを改めて整理することに活用できるでしょう。
これらの分析を進めた上で、最終的に気をつけておくべきことは、以下の通りです。
・予算と選考フロー
・面接官の質、採用体験
「3C」「4P」「SWOT」によって、採用活動がより良いものになっていきます。自社にあったものを見極めるようにしましょう。

競合分析を行なった後にやるべきこと

まず、競合分析や自社分析を行った結果は社内で共有をしましょう。採用担当だけが知っておくのではなく、社内の誰もが同じ目線と考え方を持っておくことが必要です。
また、分析は定期的に行うようにしましょう。採用は人に対して行うものです。少なくとも、自社の強みが数年前と完全に同じであることはあり得ません。
他社のリサーチも含め、常に見直しておくことが採用活動の成功につながります。

さいごに

採用においても競合を把握して、その競合を分析していくことが重要です。

あくまでも競合分析は他社と自社の立ち位置や見られ方を知るため。

しっかりと競合分析を行ってから自社らしい採用活動ができるように取り組んでいきましょう。