――自己紹介をお願いします。
保育ICT推進協会の代表理事の三好冬馬です。
現在、愛媛県内の保育所で保育士としても働いています。保育業務をしながら多くの保育のICT化にリーダー的な役割で取り組んできました。
自分にとっての最初のICT化は約10年前で、保育のICTサービスも全国に数えるほどしかなく、苦労の連続でした。
本当にいろいろな方にフォローしていただきながらなんとか進める事ができましたが、それでも数多くの失敗をしてきました。
その後、転職などもあり、結果として一つの自治体のほぼすべての保育施設のICT化に携わることになります。
その中で、必ずしも良い労働環境とは言えない保育士の現状を改善するには、現場の変革が必要だと痛感し、さらに、それを実現するにはICTの活用、そして保育のDXが不可欠であると感じるようになりました。
しかし、保育現場はパソコンやネットの普及が遅れていて、現場任せではICTの活用はおろか、その検討すらままならない状況です。そして、その状況を打破するためにこれまでの自分の経験を役立てたいと感じるようになりました。
ちょうどその頃、同じ愛媛県内に公務員から独立して保育のICT導入支援サービスを立ち上げた吉野(https://twitter.com/SanpoYoshino)とたまたまTwitter上で出会います。
“保育現場をICTの活用でより良くしたい”と同じ志を持っていたことから、一気に意気投合して任意団体「保育ICTラボ」を今年の5月に立ち上げ、9月に一般社団法人保育ICT推進協会に法人成りしました。
実は、吉野とは任意団体立ち上げ時からすべてSlackやZoomで連絡をとり、これを記入している11月末時点でもまだ1度も会ったことはありません。それでも、これだけ信頼できて同じ志を共有して切磋琢磨できる仲間ができて、一人では絶対にできなかったことができているこの出会いに本当に感謝しています。
――仕事の内容について教えて下さい。
保育現場では、日々のクラス担任(現在は3歳児クラス)をしながら、勤務園のICT導入と活用のための業務も行っています。これまでに、システムの導入検討、選定、活用とステップを踏みながら、現場がより良い保育を実現するためにどうすればよいのか考えて、日々取り組んでいます。
現在勤務園では、コドモンという保育システムを導入しています。平常業務はシステムへの移行が完了し、ほとんどの書類のペーパーレス化も実現し、以前とはまったく違う業務方法となっています。
さらに、ICT化をきっかけに業務をコンパクトにしたことで、保育の本質的な部分である、子どもとの関わりや保護者との関係性は以前より充実したものになっていると感じています。
今でもクラス担任業務と並行して、システムの新しい機能の検討や試験運用、導入予定のデバイスの選定や必要数などの調査、職員が使えるように研修の実施などを行っています。
保育ICT推進協会としては色々なセミナーに登壇して、現場の保育士向けにICTの導入や活用の後押しができるように活動しています。
さらに、全国のICT化を担当する保育士向けに、自分のこれまでの経験やノウハウで役に立つことがあればと、定期的にオンライン勉強会「#となりの園のICT」を開催しています。
現在は月に2回程度開催していますが、毎回テーマを変えてとても盛り上がっています。
この前は、コドモンさんと一緒に「保育のICT化のロードマップづくり」をしたりと、保育のDXを体系化するような取り組みにも力を入れています。
同じように、保育士同士の交流や情報交換ができる場として、オンラインコミュニティ「保育DX研究所」も立ち上げて運営しています。
少しずつ参加者も増えてきて「動画編集のおすすめソフト」や「保護者からの集金を電子決済化することについて」、「実際に使用している帳票レイアウト」などの情報をやりとりしています。
それ以外にも、公式ラインやDMからICTについての質問や相談を色々といただきますので、それに答えたりしています。
こうして、いろいろな現場の実情に触れているうちに、保育士のITリテラシーが向上することにより解決できる問題がとても多いと感じるようになり、現在は地域限定ですが、「保育士のためのパソコン教室」も実施しています。
――貴方が、「働いて青春している!」と感じたときのエピソードを聞かせて下さい。
自分たちでサービスを考えてリリースするまでがむしゃらに取り組んでいるときにとても感じます。
新しいサービスを立ち上げる理由は常に「現場の保育がより良くなるためにはどうすればよいか」、この一点のためです。そのために必要なアプローチを様々に考え、現在の自分たちで実現可能なことを検討し、実際に取り組んでいく。まさに文化祭の準備のようなイメージです。
例えば、「保育士向けのパソコン教室」をリリースするまでにも、HP作成、カリキュラムやコース設定、開催方法と開催場所、チラシ作成や配布方法、参考にできる情報収集などすべて自分たちでやってきたわけですが、「より良い保育のためには保育士のITリテラシー向上が必要」という共通理解がメンバーの中にあるため、自分たちの軸がブレることなくリリースすることができました。
それでも、現場のために何でもするというわけではなく、「自分たちがやりたいこと」という視点もとても大事にしています。なぜなら、自分たちがしたいことが一番自分たちのパフォーマンスを発揮できると思うからです。それが結果的にお互いにとってのメリットになると信じています。
現場のニーズと自分たちのやりたいことをマッチさせて全力でとりくむ!学生時代の文化祭のときは「自分たちのやりたいこと」が優先されていましたが、今はちょっぴり大人版の文化祭になっていたらいいなと思います。
――貴方の仕事や活動は、社会のどんな課題を解決していますか? (or 解決することを目標としていますか?)
ずばり、忙しい保育現場にゆとりと時間を作り出すだすことを目標としています。
保育をとりまく環境はこれまでに経験したことのないスピードで変化し、それに伴い、多くの問題に直面しています。コロナ対応、ICT・DXの波、少子化、保育士不足、保育の質の確保や向上、国や自治体からの支援不足などです。
そのような変化の中で、保育士は様々な業務に忙殺されて、子どもとゆったりと関わる時間や心のゆとりが少なくなってしまっているケースがとても多いです。
国や社会に改善を求めていく点も多々ありますが、一人の保育士、一つの保育施設として解決でき、解決するべき問題もたくさんあると感じています。
https://twitter.com/Happy_Hoiku/status/1460530579837964295?s=20
今の保育現場には、まずは子どもとゆったり関わる時間と心のゆとりが必要なわけですが、それを実現するために、子どもや保護者と直接関わったり、同僚と保育について語り合うという保育の本質的な業務と、それ以外の周辺業務とに分けて考える必要があります。
そして、今までは縁の遠かったICTをその周辺業務に活用することで、大人と子どもがゆったりと関わり、保育士が保育に注力できる環境を構成することが求められているわけです。
実際に保育施設としてそれに取り組もうとするときに、「検討する人的資源と時間がないこと」が大きな問題になります。そこで、自分たちの持っているICT導入・活用のスキルを生かして、保育施設が負担を最小限に抑えながらICTを活用し、業務改善をすることによりよいよい保育が実現できるよう支援したり、情報提供に取り組んでいるところです。
その結果として、保育現場がより魅力あるものになっていくと信じています。
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・サービス情報
私達保育ICT推進協会は、保育の業務改善やICT化に取り組む保育施設や保育士を全力で応援しています。
■セミナー依頼(オンライン可)
株式会社ベネッセ主催のオンラインセミナーにも定期登壇中。
・保育のICT化ってなに?
・保育のICTのメリット・デメリット
・システムを選ぶ際のポイント
・ICT化と災害・セキュリティ
など、現場に合わせてICT化や業務改善に関わる内容にて実施いたします。
■保育施設へのICT導入・活用支援(オンライン可)
それぞれの施設に合わせて、保育をよりよくするためのICT化となるよう、導入検討から活用支援まで保育施設と並走しながら最適な支援を行います。
■休憩時間やノンコンタクトタイムの確保のための職員研修(オンライン可)
よりよい保育はメリハリのある業務から。
園内で休憩時間やノンコンタクトタイムの確保ができるよう、現状を十分にヒヤリングしながら無理のないペースで実現できるよう支援します。
■保育士向けのパソコン教室(オフライン※オンライン準備中)
愛媛県中予地方限定で保育士向けのパソコン教室を実施します。
メンバーが直接保育園にお伺いして、基本的なパソコンの使い方をレクチャーします。
https://hoiku-ict.or.jp/archives/765
お問い合わせ
保育ICT推進協会HP https://hoiku-ict.or.jp/
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